ソフトバンクからFA加入した巨人・甲斐拓也捕手(32)が2日の宮崎春季キャンプで、ブルペンでの捕球練習や打撃練習などで存在感をアピールした。
「順調にきてると思います」と手応えを口にした上で「初めてのことだらけなので、まずは流れをしっかりと理解して、その中でやるべきことができればいいなとは思います」と意気込んだ。
そんな甲斐が持つ〝特殊能力〟が、入団前から阿部巨人の大きな戦力になるとして高く評価されていた。侍ジャパンで長年バッテリーコーチを務める巨人・村田善則総合コーチ(50)はこう明かしていた。
「普段、接していない投手や(球を)受けていない投手に対しての対応能力が素晴らしかった。投手の特徴をしっかりスッと捉えるところはたけていると思う。ジャイアンツに来てもいろいろな投手に対して、上手にコミュニケーションを取って魅力を引き出していく役割を担ってくれると期待している」と絶賛する。
甲斐と村田コーチは2019年の第2回プレミア12、21年の東京五輪、そして23年の第5回WBCといずれも優勝を飾った全3大会で日本代表メンバーに選出。村田コーチは甲斐のコミュニケーション能力の高さや投手の特徴を引き出す力を間近で見てきた。実際にこの日のブルペンで初めて球を受けた投手に対し、甲斐はジェスチャーを交えながら球種やコースについて積極的に自らの考えを説き、若手たちもすっかり心酔している。
さらに村田コーチは「会話していく姿を随所で見られると思う。それは野球の話だけじゃなくて、多分(投手の)性格的なこととかもしっかりつかみながらやっていくと思う」と目を細める。
阿部監督も入団会見で背番号10を「表情だけで投手と会話ができる。彼はウチの選手にすごくいい影響を与えるんじゃないかな」と評し、期待を寄せていた。甲斐の力がリーグ連覇と日本一奪回へ大きな後押しとなりそうだ。