このままドロ沼化していくのか…。ドジャースが1日(日本時間2日)にファン感謝イベント「ドジャー・フェスト」を開き、大谷翔平投手(30)らが参加した。スプリングトレーニングが迫る中、グラウンド外では最大のライバル・パドレスとの間で緊張関係がかつてないほど高まり始めている。
大谷や山本、佐々木ら投手陣は10日(同11日)に集合し、ワールドシリーズ(WS)連覇に向けていよいよ本格始動する。球団側も先月31日(同1日)に今季の来場者限定のプレゼント企画を発表。8月4日(同5日)にはマイナー契約ながら佐々木の首振り人形の配布も決まったが、その中でドジャースが仕掛けた〝挑発行為〟が話題になっている。
それは6月16日(同17日)からドジャー・スタジアムで行われるパドレスとの3連戦だ。1戦目は2023年までパドレスに3シーズン在籍し、今オフ加入したスネルの首振り人形、2戦目以降は「WSのレプリカトロフィー」、「WS仕様の金色選手ユニホーム」がそれぞれ配布される。
このファンサービスについて、米メディア「LAFB」(電子版)は「ドジャース球団は、パドレスが初めてドジャー・スタジアムを訪れる際、からかってライバル関係をあおっているようだ」と報じた。
また「ドジャースウェー」は球団側の〝挑発〟を絶賛した。「2025年シーズンの最高のプロモーションは、間違いなくパドレスが6月にドジャー・スタジアムに初めて訪れる時だろう」とし「これが究極のあおり行為でないなら、何が究極のあおり行為なのか分からない」と指摘。さらに「WSのトロフィーは、サンディエゴのファンがこれまで見たことがないものであり、ドジャースのプロモーションチームの並外れた天才的なアイデアだ。そして、金色のユニホームで締めくくるのは、パドレスのユニホームで目立つ色であり、タイトルを祝うことを意図したものだが、これはさらに傷口に塩を塗るだけだ」と説明した。
ドジャースとパドレスは同じナ・リーグ西地区。ただでさえリーグ優勝を争うライバルであるだけでなく、緊張関係は年々高まるばかりだ。昨季の対戦ではドジャースが5勝8敗で負け越したものの、地区シリーズでは1勝2敗の崖っぷちから連勝を飾ってパドレスを奈落の底に突き落とした。
パドレス側からすればオフに入って元同僚のスネルだけでなく、昨季までともにプレーした大谷の天敵・スコット、佐々木までも〝強奪〟された格好。ドジャースがわざわざスネルやWS優勝を誇示するかのようなグッズを配布することは、神経をますます逆なでしかねない。
それでなくても、パドレス側はフラストレーションを募らせている。佐々木との最終面談で同席したマニー・マチャド内野手(32)はこの日、球団のファンイベントで「彼はすでにどこに行くか心を決めていたと思う。それは私の意見にすぎないが」と皮肉めいた発言をかました。
マチャドは地区シリーズでドジャースベンチに向かって勢いよくボールを投げつけ、ロバーツ監督が「無礼だ」と激怒。いったい、両チームはどこまでヒートアップしていくのか…。例年以上に目が離せなくなりそうだ。