最終的にどこを守るのか。日本ハム・野村佑希内野手(24)の「守備位置」が注目を集めている。
今季で7年目を迎える未完の大器は昨季、56試合で打率2割1分、2本塁打、9打点と低迷。だが、新庄剛志監督(53)は見捨てることなく、昨年11月に行われたファン感謝イベントで「開幕4番」を明言した。このサプライズに本人も奮起し、オフから鍛錬を積んでキャンプに入ってきた。ただ、明確なポジションは見えてこない。
新庄監督はキャンプ直前、野村の守備位置に関し「いろいろなところを守らせる」と話し、本職の三塁だけでなく一塁、外野に就かせることを示唆した。野村も各ポジションのグラブを持参して猛練習に励んでいるが、現状は芳しくない。
一、三塁ではマルティネス、清宮、郡司が一歩リード。キャンプやオープン戦で猛アピールしない限り、どちらのポジションも奪うことは難しい。となれば、チームで唯一レギュラーが不在の左翼が最有力となるが、ここも強敵ぞろいだ。昨季の交流戦MVPで大ブレークした水谷を筆頭に、侍ジャパンに抜てきされた五十幡、浅間、今川ら強力なライバルがひしめき合う。
「開幕4番」を決めても、野村は外野守備に不安を抱えており、守備力を重視する指揮官がどこに埋め込むのかは悩みどころだろう。
新庄監督はすでに野村に対し「僕の中では(開幕から)15試合で結果が出なかったら二軍に落とす」と断言。厳しいノルマを課して奮起を促している。野村にも思いは伝わっており、本人も「思ったより試合数をくれるな、と思った。そのプレッシャーの中で結果を残せれば確固たるポジションというか、(試合でもっと)使ってくれると思いますし。そういう中で活躍することが自分の成長にもつながると思うので。普通では受けられないプレッシャー。ありがたく自分の成長のために使わせてもらおうかなと思います」と強気に受け止めている。
期待と不安が入り乱れる野村の「開幕4番」と守備位置問題。今後の努力と結果で道を切り開くしかない。