広島・新井貴浩監督(48)の覚悟は本物のようだ。今春の宮崎・日南キャンプでは「世代交代」「若返り」がテーマに掲げられている。
2日は投内連係やシートノックなど初めて屋外で守備練習が行われたが、昨季まで不動のレギュラーだった二塁手の菊池涼介(34)と中堅手・秋山翔吾(36)の2人は不在。新井監督は「『入らなくていい』と。彼らも勝手が全部分かっているから。この2日目からいきなり全部入るということはしなくていいよと」と説明。もはや実績も経験も十分すぎるほどで、センターラインを固めてきた2人がいない状況を意図的につくり出した形だ。
特に内野陣は新陳代謝を図る意図が顕著に表れた。小園は三塁→遊撃→二塁と目まぐるしくポジションを変え、遊撃は昨季初めてゴールデン・グラブ(GG)賞に輝いた矢野。二塁にはオリックスから現役ドラフトで加入の山足に加えて高卒6年目の韮沢、大卒2年目の佐藤が入り、三塁は林、高卒2年目の内田…と山足を除く全員が25歳以下の布陣となった。
また、一塁には外野との併用で堂林や昨季9本塁打だった末包が就き、次代の主力育成とともに攻守両面での強化もにじみ出た。
もちろん、菊池も秋山もチームにとって不可欠な存在。菊池は2022年まで10年連続、秋山もセパ両リーグで通算7度もGG賞を獲得した名手だ。とはいえ、キャンプ終盤になれば、指揮官が「横一線」と唱える戦いに参戦してくることは既定路線。定位置争いの〝ラスボス〟ともいえる2人の後継者となる人材発掘へ、新井監督がふるいにかけた若鯉の中からはい上がってくるのは誰になるのか。