次の横綱となれるか。大相撲の大関大の里(24=二所ノ関)が、春場所(3月9日初日、大阪府立体育会館)で巻き返しを狙っている。日体大出身の大の里は、昨年の秋場所で2度目の優勝を達成。昭和以降最速となる初土俵から所要9場所で大関昇進を果たした。一方で、この2場所は9勝、10勝と勝ち越してはいるものの、優勝戦線に絡めていない。
先の初場所では同じ大関だった豊昇龍(25=立浪)が優勝し、横綱に昇進。頂点を目指す争いでも先を越された。「大器」と称された大の里の現状について、角界ОBは歯がゆい思いで見守っている。元幕内力士で格闘家の照強(30)も、その一人だ。大相撲時代は身長169センチ、体重107キロと小兵ながら、多彩な技と気迫あふれる取り口で土俵を盛り上げた。
照強は「大の里は強いと思うし、立ち合いの踏み込みと、体が大きいのでどんどん前に出る相撲が持ち味だと思う」と強みを分析。その上で「しっかり(前に)出ている時はめちゃくちゃ強いけど、変に組み止められてやられることも多い。組み止められたら、そこまで圧倒するイメージはない」と課題を指摘した。
これまで大卒で入門し、番付の頂点まで上りつめたのは第54代横綱輪島のみ。照強は「体も大きいし、ケガさえなければ横綱になると思う。まだまだ若いし伸びしろがあるから、後は出足をもっと生かしていければ。大学を卒業して横綱になった人はあまりいないので、次の大卒横綱になってほしい」とエールを送った。
大の里は2日、千葉・成田山新勝寺で行われた節分会に参加。春場所へ向けて「あっという間に次の場所になる。より一層気を引き締めて頑張りたい」と静かに闘志を燃やした。今度こそ土俵で結果を残し、大器の名にふさわしい実力を証明したいところだ。