名門の威信にかけて覇権奪回に燃えるヤンキースで「火星人」の異名を持つジェイソン・ドミンゲス外野手(21)の復活に注目が集まっている。フアン・ソト退団後、マックス・フリード、コディ・ベリンジャー、デビン・ウィリアムズ、ポール・ゴールドシュミットと補強を続け、オーナーのスタインブレーナー氏も「1年前よりずっといいチームになった」と自信をのぞかせるが、もっとも期待されるのがドミンゲスだ。
2019年に510万ドル(約7億9000万円)の破格でヤンキースと契約。コロナ禍とマイナーリーグを経て2023年9月にメジャーデビューを果たすと、初打席でバーランダーから本塁打を放ち、8戦4発と走攻守に活躍。「火星人がニューヨークに飛来した」と衝撃を与えた。しかし、右肘の尺側側副靭帯断裂に見舞われて戦線離脱。トミー・ジョン手術からの回復に遅れ、腹斜筋の張りで今季も代走など18試合の出場に留まった。
今年は順調な調整でキャンプに備え、左翼手としてジャッジ、ベリンジャーとともに外野の一角を担うと見られている。ブーン監督は1番打者の候補にドミンゲスを上げており、キャッシュマンGMも「若い彼がチャンスをつかむのを見たい。勝ち取るために努力し、それを維持しなければならない」と期待は大きい。
米メディア「ブリーディングヤンキーブルー」は「21歳の天才はついに健康を取り戻し、活躍する準備が整った。ヤンキースは待ち望んでいた男を手に入れた。もう待つ必要はない。間に合わせの選手はもういらない。ジャソンの時間だ」と伝えている。ケガを乗り越え、満を持して復帰してきた超新星。〝ポスト・ソト〟はこの男しかいない。