新日本プロレス11日の大阪大会でIWGP世界ヘビー級王者ザック・セイバーJr.(37)に挑戦する後藤洋央紀(45)が、〝意中の3人〟を明かした。実に8度もはね返されてきた団体最高峰王座への挑戦は、2016年2月以来実に9年ぶり。大阪決戦をラストチャンスと位置づける荒武者が悲願を成就して、どうしても戦わなければならない男たちの名前は――。
IWGP世界の前身となるIWGPヘビー級王座戦8連敗のワースト記録を保持する後藤は、9年ぶりに団体最高峰王座の戦いに帰ってきた。「常にここを目標にやってきて、やっとここまで立ち上がって、舞い戻ってきたので。すべてをぶつけるつもりで行きますよ。思いが爆発する時が来たんです」と腕をぶす。
大阪決戦を自身でもラストチャンスと位置づけているが、負けられない理由はそれだけではない。「夢というのもあるし、取った先も見据えてますから。やらなければならない相手、やるべき相手というのは、引退を表明している棚橋(弘至)さん、IWGPから遠のくキッカケとなったオカダ(カズチカ)、高校の時から約束している柴田(勝頼)。この3人は外せない」とベルト奪取後の青写真を明かした。
棚橋は後藤にとって、07年11月に初めてIWGPに挑戦した当時の王者だ。「今度は俺が王者になって逆の立場でやりたいのはありますし、引退を表明されてますけど、まだまだやれるんじゃないか。そういった思いもあるので」。棚橋は来年1月の引退前に所属全選手とのシングル戦を熱望しており「どうせやるならベルトをかけてやりたい。最高のシチュエーションじゃないですか」と目を輝かせた。
逆にオカダは最後の挑戦となっている16年2月当時の王者だった。敗戦直後にオカダに誘われCHAOSに加入した後藤は「CHAOSで俺は生まれ変わった。ここまで俺は立ち直った、もう一度はい上がってきたんだっていう思いを見せたいのはありますよね。彼に対しては誘ってくれた感謝と、もう一度戦いたかった心残り、両方がある」と再戦を熱望した。
そして三重県立桑名工業高校の同級生である柴田は、高校時代に将来IWGPをかけて戦うことを約束した相手だ。「高校の時からの思いもあるし、いずれ新日本に入るんだったらやりたいよねって話をしてたんです。今また離ればなれになってますけど、縁をつないでくれるのはIWGPのベルトなのかなと」。柴田とオカダはともに現在AEWマットで活躍中だが、後藤は「こっちが向こうに行ってもいいですし」と言い切った。
追いかけ続けてきた悲願のベルトは、かつてのライバルたちとの新たな戦いを生み出すために必要な鍵でもある。〝後藤革命〟を起こす時が、今度こそやって来た。