開幕投手とエースの座は絶対に譲らない。最大のライバルは2年ぶりに復帰するバウアーだ――。DeNAの宜野湾キャンプ4日目、エース・東克樹投手(29)が初めてブルペンに入り、34球を投げた。現在取り組んでいる新フォーム、スライダーの曲がり幅を昨年より大きくすることなど、課題を全てクリアできたとのことで「今日のブルペンには満足しています」と胸を張った。
「例年に比べて仕上がりはいいですね。12、1月とずっと高負荷のトレーニングをやってきた成果が出ている。新しいフォームは右足の使い方が難しい。(投げるとき)足が開かないようにしないと。それを第1クールで確認できました」
スライダーは2023年に比べ、24年になって曲がり幅が縮小。「全体的にこぢんまりしていたので、また曲がり幅を大きくしようと思う」と明かした。
「40センチ以上、平均で45センチ以上曲げたい。きょうは(画像で確認したら)最大50・3センチ。もともと23年にはそれぐらい曲がってたので、もう一度元に戻して、さらに進化させたい。そうすれば、打者が考えることが1つ増えますし、他の球種も生きてくるから」
今キャンプでは次の第2クールまで「高重量のトレーニング」に重点を置いて、第3クールから「しっかりと技術に移行していく」予定だ。その先に狙うは「当然、今年もまた開幕投手とエースの座なのか」と聞くと、東はキッパリと答えた。
「強い気持ちを持ってやっていきたいと思いますね。(2年ぶりに)バウアーも来たので、チームでのライバルが増えた。僕も負けないようにしっかりとそこの座を狙っていきたいです」
東自らトレバー・バウアー投手(34=前メキシコシティ・レッドデビルズ)の名前を出したあたり、かなり意識していることがうかがえる。一昨年、初来日した際には、今永(現カブス)とともにバウアーを質問攻めにしていた。「相手打者がバットを振ってくる恐怖から逃げるな」「打たれたらしっかり反省し、次の登板にショックを引きずらないこと」などさまざまな助言を受け、今日までの成長につなげてきた。
そんな東の意気込みに番長も目を細めて言う。
「強い気持ちを持ってやるのはいいと思います。チーム内で、他の投手も高いレベルで競争して、(開幕投手を)選ぶのに悩むぐらいになってほしいですね」(三浦監督)
着々と調整を進め今オフ、一部週刊誌に報じられた〝初ゴシップ〟の影響もまるで感じさせない東。メンタルの強さもエースならではだ。バウアーとの開幕投手争いが今から楽しみである。