久しぶりに〝奇策〟の発動だ。日本ハム・新庄剛志監督(53)が、昨季10勝を挙げた山崎福也投手(32)を「指名打者」で起用することを4日に明言した。かねて左腕の非凡な打力を、高く評価してきた指揮官。本格的に導入するとなれば、本人だけでなく、他の野手陣の起用法にも影響が及びそうだ。
指揮官からまさかの言葉が飛び出した。新庄監督は二軍キャンプ地の沖縄・国頭で行われた紅白戦を視察。その後、この日の一軍キャンプで山崎が野手組に入ってフリー打撃を行ったことを問われると、不敵な笑みを浮かべて意図を明かした。
「シーズン中のDHに備えてね。冗談抜きで。彼ぐらいフォアボール選べるバッターいないと思いますよ。本当にいい選球眼も持っているし。(キャンプから)真剣にバッティングをしてくれって伝えています」
さらに「二刀流まではいかないけど」としながらも「もしかして開幕DHかもしれないし。それぐらいの俺の気持ち。やるからには真剣にやらないと。中途半端な気持ちにさせない」とまで断言した。すでに青写真は固まっている様子だった。
確かに山崎の打撃センスは抜群だ。日大三高時代には、センバツで大会最多安打記録をマーク。昨年5月の阪神との交流戦(甲子園)でも「6番・投手」でスタメン出場し、中前適時打も放ってみせた。
ただ、シーズンを通しての二刀流にはリスクも伴う。まずは体力面を含めた調整法だ。山崎は先発ローテーションの一角を担うため、その合間に打者として出場機会を増やすことになる。必然的に肉体的な負担が増し、投手としての調整も難しくなってくる。
また、山崎をDHで起用すれば、昨季DH専門だったレイエスが一塁を守ることになる。レイエスも守備力向上へ練習を積んでいるが、お世辞にもうまいとは言えない。そんな助っ人を守備に就かせてまで、山崎をDHに抜てきする必要性があるかどうかは、賛否も呼びそうだ。
それでも新庄監督は「(山崎が)DHで行くなら8番か9番。フォアボールでいいのよ。上位打線に回してもらう。終盤になったら、代走を出せばいいし。出塁率が4割ぐらいあって、普通の野手より塁に出てくれるんだから。ウチには(走者を本塁に)かえす人、結構いる。塁に出てくれる人を探したくて。で、『おっ、山崎君だ』ってね」とブレることはない。
球団ではドジャースで活躍する大谷、現在も矢沢やドラフト1位・柴田獅子(18=福岡大大濠)も二刀流に励んでいる。破天荒な指揮官は難題を乗り越え、山崎を攻撃陣の一員にどう押し上げるのか。
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