125期、126期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は中部地区から。三重支部所属の梅沢忠秀(23)は父の背中を追って輪界入り。相撲からの転身とあって伸びシロたっぷりの青年が500勝レーサーの〝DNA〟を開花させる。
梅沢忠秀は小学5年から高校3年まで相撲に没頭し宇治山田商時代にはインターハイに出場した力自慢。部活動がひと段落し、進学か就職かの将来を考えた時に中部を代表する名選手で500勝レーサーの父・謙芝さん(引退=57期)からの「競輪あるぞ」の言葉に心を動かされ「確かにそういう道もあるか」と、父と同じ道に進むことを決断した。
相撲の実力を買われて大学からの誘いもあったが「始めるなら早い方がいい」と断りを入れて父に〝弟子入り〟。四股を踏む毎日に別れを告げた。
父とマンツーマンで始まった自転車生活。最高108キロあった体重は街道での乗り込みで落ちたがタイムが出るには1年半かかった。練習中のケガで受験を回避した年もあり、日本競輪選手養成所入所には順風とはいかなかったが、昨年3月に125期在所14位の成績で卒業。同年5月富山ルーキーシリーズでプロ生活をスタートさせた。
本デビュー期の昨年後期(7~12月)は10優出。9月松阪では逃げ切りで初Vも果たした。
「デビュー2場所は準決にも上がれないダメダメだったので、それを考えると進歩している。初優勝は展開も良く逃げ切れてうれしかった」
現在は舛井幹雄、東鉄也、高谷進太郎らの「青山グループ」で汗を流す。そこには佐藤大地、伊東佑晟の同期もいて切磋琢磨しながらサクセスストーリーを夢見る。競走から帰宅すればすぐに謙芝さんとレースを回顧。さらに「ご飯を食べた後はチャレンジのレースを確認しています」とライバルの動向にも気に掛ける自転車漬けの毎日だ。
今年後期はA級2班への昇班がほぼ確実。チャレンジの助走期間は最長で今期が終わる6月までだ。伸びシロしかない状況で優出を重ねるのは間違いなく、目指す「3連勝(完全V)」はそう遠い日ではない。父が到達した500勝は遥か先だが「長く選手生活ができるように」。父の背中をいつまでも追い続ける。
Q&A
――趣味はあるか
梅沢 最近、金魚を飼い始めました。きっかけはユーチューブですかね? 2匹飼って、小さいのから大きくするのを目標にやっています。
――オフの過ごし方は
梅沢 水槽の水を替えたり(苦笑)。ずっと家にいます。
――ルーティンとかゲン担ぎとかはあるか
梅沢 何でも左からという感じでやってますね。あと、前検日に脚のすね毛は剃っています。
☆うめざわ・ただひで 2001年7月6日生まれ、三重県出身。180センチ、83キロ。師匠は梅沢謙芝氏(引退)。主なスポーツ歴は相撲(8年間)。