西武・平良海馬投手(25)が来年3月に行われる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、侍ジャパンのクローザー候補として急浮上している。
6日、日本代表を預かる侍ジャパンの井端弘和監督(49)が西武の宮崎・南郷キャンプを視察。室内練習場で西口文也監督(52)、中日時代の先輩である鳥越裕介ヘッドコーチ(53)と談笑後、直行したのが今季からチームの守護神を務める平良のもとだった。
自ら平良の方へ歩み寄った侍指揮官は熱を込めて約5分間、自身の考えを本人に伝えた。視察後、報道陣に対応した井端監督は「日本人で後ろのピッチャーというのは12球団を見渡しても数が少ない。そこをまたやってくれるというところはすごくありがたい」。現状で巨人・大勢とともに有力な侍のクローザー候補となる160キロ右腕への期待を語った。
代表指揮官から熱意を伝えられた平良も「(WBC本戦に)選ばれたら出たいと思いますし、そのためにもシーズンをケガなく終えたい。代表として戦えますし、代表に選ばれることはうれしいこと」と述べ、これまでになく侍ジャパンへの選出に意欲を示した
もちろん、そこには将来的なメジャー挑戦に明確なプレーヤープランを描く本人の計算もあるのだろう。2023年WBCの優勝メンバーを見ても大谷(30=当時エンゼルス、現ドジャース)、ダルビッシュ(38=パドレス)とともに先発ローテーションを組んだ山本由伸投手(26)、佐々木朗希投手(23)がそれぞれ23年、24年オフにドジャース入り。ブルペンを任されていた松井裕樹投手(29)も23年オフにパドレスと大型契約を結んでいる。
MLB30球団の幹部クラスが集結するWBC本戦は、いまやメジャー側の評価が高値で安定している日本人投手の「ショーケース(品評会)」と化している。日本駐在スカウトが時間をかけて調査してきた投手が実際に各国代表のメジャーリーガー相手にどんな投球ができるか。その最終確認の場となっている。
もちろん、それに合わせて選手側の代理人は30球団に対して事前のプレゼンを怠らない。この日も第1クール初日と同様、平良をマネジメントするスコット・ボラスコーポレーションの担当者が南郷キャンプに顔を見せていた。平良のポスティング移籍の段取りは水面下で着々と進められている。