サウジアラビア政府系資本による超高額賞金ツアー「LIV招待」に参加する選手が、これまで禁じられていた全英オープン(7月、ロイヤルポートラッシュGC)への出場が許可されることになった。
英紙「ミラー」は「LIVゴルフ選手が歴史的合意に達し、全英オープン出場権を獲得した」と報道。「LIVゴルフの選手は、54ホールのカットなしリーグで獲得したポイントを使用して、ゴルフのカレンダーで最も古く、最も権威のあるメジャーである全英オープンへの出場資格を得ることができるようになった」と伝えた。
LIVが創設されてから所属選手はメジャー大会への出場が禁じられていたが、マスターズがいち早く解禁。全米オープンも今季の出場から認めることになっており、全英オープンもそれに続いた格好だ。
「ゴルフ界の内戦は日を追うごとに終結に近づいているようで、分離したLIVゴルフシリーズの選手たちが、サウジアラビアが資金を提供するリーグのポイントで初めて全英オープンの出場権を獲得できることが明らかになった」と同紙は強調している。
一方で、問題は残されている。「(全英を主催する)R&AはLIVに和解の手を差し伸べる予定で、これはオフィシャル・ワールド・ゴルフ・ランキング(OWGR)にとって大きな打撃となる。これまで、全英オープンや全米オープンなどの主要な競技はOWGRポイントを使って構成されてきたが、LIVでは獲得できない。その結果、実力にもとづいて出場資格があるにもかかわらず出場を逃す選手が続出し、メジャー選手権の出場選手層が薄れてしまう可能性がある」。大物ぞろいのLIV選手が大挙出場することで、現在出場資格のある選手が数多くはじき出されるというわけだ。
「この動きは、ゴルフ界がLIVに対する姿勢を軟化させたことを示している」と同紙は指摘するが、LIV選手の参加を巡って火種がくすぶりそうだ。