新日本プロレス11日の大阪大会で棚橋弘至(48)とのシングルマッチに臨む真壁刀義(52)が、引導を渡すことを予告した。
来年1月4日東京ドームでの引退を表明している棚橋は、今年から「ファイナルロード」に突入。そこに名乗りを上げたのが、1999年10月10日に後楽園ホールで棚橋のデビュー戦の相手を務めた真壁だ。後輩の引退決断に「まだ早いんじゃねえ?っていうのは正直思うよね」と率直な思いを明かしつつも「彼自身が動けないのであれば、それはしょうがねえよな。踏ん切りをつけたっていうのは多分あるんだろう。社長業なんてもんは、しょせんは言い訳だと思ってるよ」と見解を示した。
暗黒時代とも言われた苦しい時期も経験し、団体人気を再興させるためにともに戦った同志でもある。特別な存在であることは間違いないが、リングを去り行く人間に花を持たせるつもりはない。真壁は「引退する選手の記念の試合なんてのは、俺は全否定で。リングに上がったら戦いなんだから。新日本プロレスの山あり谷ありの苦しい時から始まった俺たちのレスラー生活。それを存分にお見舞いしてやろうと思うよね」と豪語する。
「俺だって自分がもう無理なんだなって思ったら、その時点で辞める。それ以外ないでしょ。だってプロなんだから」という引退観を持つ真壁にとって、新日本のリングはあくまで生存競争の場でしかない。
「キレイに送り出す気はないよ。辞めるって言ってるんだったら、アイツのレスラー像もプライドも木っ端みじんにしてやるから。この新日本のリングは仲良しこよしじゃねえんだって。お疲れさまでしたって思うのはファンの方であって、俺からしたら蹴り出してやるよって。悔いなく、後悔なく去れるようにするのが俺の役目なんじゃねえの? なにしろ最初に戦った相手なんだから」
棚橋弘至というレスラーが生まれた初対決から25年4か月の時を経て実現する〝最後の一騎打ち〟に、2人のレスラーの生きざまが宿る。