西武・仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチ(53)がライオンズ再建に向け、走りだした。
1日から始まった宮崎・南郷キャンプでは連日にわたり、長谷川信哉外野手(22)、村田怜音内野手(23)、渡部健人内野手(26)、山村崇嘉内野手(22)ら若手指定強化選手の特打で打撃投手を務めている。
投げるのは毎日およそ800~900球。右手のマメはつぶれ、ばんそうこうを巻きながら「(DeNAの二軍監督時代は)やっぱり人が少ないんで監督、コーチもみんな〝戦力〟だった」と西武でも続くルーティンに充実感を漂わせている。
門下生のひとり、長谷川は「仁志さんはコントロールがいいので休めない。付き合っていただきありがたいです」と敬意を示す。
仁志チーフコーチは「秋(秋季キャンプ)に言ったことをよく覚えていて、これをまだ続けていますというのもいれば、オフの間に練習してさらに良くなっている者もいる。彼らも去年は予想外に一軍に上がっちゃったと思うんですけど、今年もそんな感じでチャンスがもらえるといういい意味での希望がある。努力の仕方もちょっと変わっていると思う」と現在の進捗(しんちょく)状況を語る。
全てのポジションが白紙とはいえ、守備の要・源田、中軸のセデーニョ、ネビンは個々の活躍が必要不可欠な選手たち。その点も踏まえた上で今後、打順はどう決めていくのだろうか。
同コーチは「ゲームをやりながらだと思う。もちろん、その選手のタイプがある。チームの打線をどういうタイプで作るのか、監督の構想もあると思う。ただ、やっぱり結果を残し続ければ、コイツはここにハメても面白いなという考え方も出てくると思う。まあオープン戦を楽しみにしてます」とフラットな現状を語る。
与えられるチャンスについても「そんなにいっぱいあると思われても困る。いま二軍に行っている選手もちょろちょろ来るでしょうし。チャンスが多かろうが少なかろうが、やっぱり結果を残したヤツが残る」とし、高いレベルでのサバイバルを期待しているという。
二軍の高知・春野キャンプにも、すでに力量を把握している今季24年目のベテランコンビ中村剛也内野手(41)と栗山巧外野手(41)をはじめ蛭間拓哉外野手(24)、野村大樹内野手(24)、元山飛優内野手(26)、岸潤一郎外野手(28)、奥村光一外野手(25)、松原聖弥外野手(30)らボーダー上の若手および中堅がいる。同コーチは「二軍に行っているからといって全くノーチャンスではない。とにかく一軍で戦力になりそうな選手には必ずチャンスが来ると思います」と高知組の反発にも期待している。
巨人で長らく主力を経験し、現役晩年では米球界にも挑戦。引退後は米独立リーグ、侍ジャパンでコーチを務め、DeNA二軍監督も歴任した。経験豊富な名指導者が手腕を存分に振るい、どん底に落ちた獅子たちを再び常勝軍団へ引き上げる。