元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏が8日、関西テレビ「ドっとコネクト」に出演。米投資ファンドのダルトン・インベストメンツがフジ・メディアHDの日枝久取締役相談役に対し、辞任を要求したニュースにコメントした。
フジ・メディアHDの大株主であるダルトンは3日、書簡を公開し、日枝氏に対し辞任を要求。書簡では日枝氏を「独裁者」と呼び「ガバナンスに欠陥がある」と厳しい論調で批判している。
堀氏は「走馬灯のように約20年前、僕がNHKで新人だったころ、同じことがありました」と切り出し、「当時はNHKには海老沢勝二さんという会長がいて、エビジョンイルと言われるくらい『まさに独裁者じゃないか』(と批判された)」と振り返った。
堀氏が入局した2001年には海老沢氏が会長を務めていたが「僕も若手の一人としていろんな不祥事があっても、海老沢さんが動かないから局長室まで行って『あんな人、辞めさせてください』『辞めさせないと若手どうなるんですか』と言って最終的には大改革が起きて、僕も東京に上がって『ニュースウオッチ9』を立ち上げるみたいな。よかったんです」と回想。
しかし、あれから約20年がたち「海老沢さんの言ってたことって、当時すごい先端だったなと思う事もいっぱいあって。『24時間、ニュース放送にするべきだ』とか、放送と通信を融合して『NTTとNHKは一緒でいいんじゃないか』とか、実は革新的なことも言ってたんですよ」と改めて評価した点もあったという。
その経緯を踏まえ「今こそ日枝さんを単なる独裁者じゃなく、何が守るべき進めることで、何が変えなきゃいけなかったことなのかって、きちんと冷静な解像度の高い議論をした上で、次の一手をみんなで選んでいくという(ことが必要)」と提言。
その上で「僕はあの時、海老沢さんを『独裁者』と言って処罰して終わりだったから、新しい改革が止まっちゃったなとも思うんですよ。ダルトンも気持ちは分かるけど、ダルトンは株主のためにやってるわけですから、日本の民主主義のためにやろうとはしてないわけですから、一回ばらして考えたいなと思います」と私見を述べた。