一般社団法人のロコ・ソラーレ(LS)で代表理事を務める本橋麻里さんは〝ゾーン〟に入っていた。
8日に行われたカーリング日本選手権(神奈川・横浜BUNTAI)の男子準決勝では、LSが前回大会覇者のコンサドーレに5―4で辛勝。9日の決勝ではSC軽井沢クラブと対戦する。
先攻で迎えた4―4の最終第10エンド(E)では、最終投を終えてナンバー1の石をメジャーで計測した結果、わずかな差でLSに勝利の女神がほほえんだ。コーチ席で試合を見守った本橋さんは「年々、心が優しくなりすぎたのか、親心が半分入りながら見ていた。親のような気持ちで見ていたので、涙を見せてしまった」と振り返った。
試合後には激闘を終えたLSとコンサドーレの選手たちに会場から拍手と大歓声が沸き起こった。しかし、本橋さんは「あれ、歓声あったのか…。聞こえてないです、聞こえてないです。あ、そうだったんだ」と苦笑い。選手としてはプレーしていないが、無我の境地に突入していたのだ。
午後6時からは女子のLSが北海道銀行と対戦する。本橋さんは「もう1回ここから上げないといけない」とにっこり。弟分に負けじと、お姉さんも決勝への切符を勝ち取ることはできるか。