今年、DeNAの開幕スタメンに筒香嘉智外野手(33)が7年ぶりに名を連ねるかもしれない。今キャンプの充実した調整ぶりに、サプライズの期待感が日に日に高まっている。
全幅の信頼を置く三浦大輔監督(51)が目を細めて言う。
「ゴウ(筒香)は経験豊富な選手なんでね、調整は本人に任せてる。自分のペースで打ったりロングティーをやったり、マイペースで調整して状態を上げていってくれればいい」
こう語る番長は、すでに筒香のために実戦での調整スケジュールを立てていることを明かした。
「(練習試合やオープン戦の)試合とか、打席数とか、いつどこでやるかという話も本人とはしてます。(報道陣の)みなさんには言いませんよ。言わないけど、そのうち試合には出ますから」
そうした番長の口ぶりからしても、筒香の〝実戦初打席〟は近そうだ。
筒香本人も、すこぶる順調な様子。昨年、日本シリーズ第6戦で放った決勝本塁打で「つかんだ感覚」を維持できていることを強調している。
「微調整はあるものの、(その感覚は)ずーっと続いていて、ここまでは順調に来ています。いい感覚を継続しつつ、またもっとレベルアップするように。(打撃コーチの)村田(修一)さん、大村(巌)さんに手助けしていただいてるので、本当に感謝していますね」
その「手助け」をしている大村巌野手コーチ(55)も「ええ、筒香の仕上がりは早いですよ」と、こう太鼓判を押した。
「毎朝7時ぐらいから、ウエートも含めて、ずっと練習をやってますからね。大体、やるべきトレーニングは朝のうちに一通り済ませて、ちゃんと体をつくってるんですよ。メジャーリーグの選手もそうしてるらしい。筒香も、体をそういう状態にしてから球場で打撃練習に入ってるわけです」
しかも、さらに驚かされるのは「筒香はこれからもっとよくなる余地がある」と、大村コーチは言う。これは、筒香が昨年「つかんだ感覚」と関連しているそうだ。
「その感覚とは、ボールを長く見られるってことだと思うんですよ。われわれの打撃用語ですが、ボールを長く見て、呼び込むことができる。その感覚は、これからもっと伸びると思うんです」
最後に開幕スタメンの可能性について聞くと、大村コーチは苦笑いを浮かべながらこう答えた。
「セ・リーグにもDHがあれば文句なしに入ってくるでしょうね。ただ、ポジションが外野なので、守備との兼ね合いがあるから、何とも言えません」
同じ外野のライバル、佐野、桑原、梶原、度会もウカウカしてはいられないだろう。今年は筒香が本格復帰するシーズンになりそうだ。