〝那覇の悪夢〟も払拭――。阪神・伊藤将司投手(28)が9日に春季キャンプ地の沖縄・宜野座で行われた紅白戦に白組の先発投手として登板。1回を投げ1安打無失点と今季初となる実戦登板を上々の形で終えた。
力感のある直球を中心にした投球で島田、中野、前川ら3人の左打者をねじ伏せた。「しっかりインコースを狙うことができた。いい感じかなと思います」。直球の最速は147キロと数字の上でも上々。それでも虎の伊達男は「スピードよりも質や強さを基準にしているので。球速よりもそこをしっかりとできていればいい」と冷静に自身の足元を見つめた。
昨季のオープン戦初登板となった2月23日の巨人戦(那覇)では初回だけで7安打7失点。状態を上げ切ることができず、悪い流れをひきずったままシーズンに突入すると4勝5敗、防御率4・62とキャリアワーストの成績でプロ4年目をフィニッシュした。高いQS率を身上としてきた虎の〝ミスター安定感〟のまさかの乱調は連覇を逃す一因ともなった。
「去年は残念な結果になってしまいましたからね」と苦笑いを浮かべた左腕は「今季はキャンプ前から初動を早くして、それなりの状態にまで持ってこれている。去年よりいいですね」と2025年の〝初陣〟を無難に終えたことに安堵の表情をのぞかせた。