最後まで〝冷静〟さを失わなかった。カーリングの日本選手権最終日(9日、神奈川・横浜BUNTAI)女子決勝で、フォルティウスが北海道銀行を8―7で下し、4年ぶり3度目の優勝。
7―5の最終第10Eに2点を失って延長戦となったが、フォルティウスのスキップを担う吉村紗也香は、平常心を貫いた。「2点まではOKというマインドだった。時間がなくてちょっと焦ったところはあったけど、しっかり2点におさえた」。
有利な後攻で迎えた延長第11Eは、ドローショットを決めて、きっちり得点を奪取。試合後に目を潤ませた吉村は「時間がない中でも自分で切り替えることができた。終わった瞬間はうれしさとホッとした気持ちだった」と頬を緩めた。
一昨年12月に第一子を出産。産休を経て復帰した中で「第1位に入るビッグイベントを乗り越えることで、強くなったと感じている。プレー時も昔の自分より何かどっしり構えられているなという感覚がある」。
かつてはメンタル面が課題としていたが「自分でも本当に、どんな時も冷静でいられている感じがある。そこが一番自分の中では大きいかなと思う」と変化を口にした。
今大会の優勝でミラノ・コルティナ五輪日本代表候補決定戦への出場権を獲得。この日の北海道銀行は平均年齢22・2歳と若いチームだが「若い世代の子たちがどんどん強くなってきているなと感じるけど、自分たちもさらに上に行くぞという気持ちがある」と負ける気はさらさらなし。悲願の五輪へ、大きな1勝を勝ち取った。