西武・平良海馬投手(25)がデータ重視の〝超リアリスト〟なクローザーとして9回のマウンドに君臨する。
西口監督の強い希望で先発復帰の希望をしまい込んだ平良は、新守護神の座に対して「先発と抑えでブルペンで投げる球数が一番の違い。それ以外はやることはあまり変わらない」と気負いはなし。「セーブの場面で回ってきて全部抑えて、セーブ王を取れたら取りたいという感じですね」と目標を掲げている。
だが、先発転向を見据えて増やした2種類のスライダーやスプリット、カットボール、カーブ、ツーシームの6種類の変化球を今後どうしていくのか。100~120球を投じる先発にはさまざまな球種を必要とされたが、15球前後で試合を締めるクローザーにはそこまで求められない。
相手の打者がマークしてくる破壊力抜群の直球を軸に、スライダーとスプリットがあれば十分抑えられそうだ。だが、平良は「減らしはしないです。維持です」とキッパリ。直球を含む全7球種をすべて使うことを前提としながら、試合の中で使う球種と使わない球種を選択していくという。
「それぞれのバッターに対してですね。このバッターにはこれを投げると絶対に打たれるとか、データを見て今から(球種を)決めていく感じです」
投球の中心となる直球については「強度というか球速は上げていく。160(キロ)を超えて、170(キロ)も超えていきます」と言いながらも「相手が何を待っているか分からないんで、そこはデータを見てだと思います」とどこまでも現実路線だ。
データはウソをつかず、感覚が最も当てにならない――。そんなポリシーのもと、シビれるマウンドで仁王立ちする。