欧米人も「令和」スタイル――。新助っ人へのアドバイスが任務となっている阪神のジェフ・ウィリアムス駐米スカウト(52)が、指導よりも「相互理解」を強調。令和の時代らしく、上から教えるのではなく「僕の経験、彼らの経験を共有して自分で感じ取ってもらえれば」と対話重視の姿勢を示した。
ウィリアムス氏は8日に沖縄・宜野座入り。2005年リーグ優勝の立役者となった「JFK」トリオ(ジェフ、藤川監督、久保田投手コーチ)がそろい踏みとなった。当然、同氏は自らの役割を熟知しており、アップからブルペン投球、ランニングメニューなど全てに目を光らせ、積極的に助っ人らとコミュニケーションを取った。
特に一軍戦力の期待がかかるニック・ネルソン、ジョン・デュプランティエの両投手にはNPB球の特徴や、ツーシームや変化球の動きなどについてじっくりと意見を交わした。
「教えるのではなく、彼らがどう感じているのか。また、MLB時代からどうアジャストしていくことを必要と感じているのか。自ら感じて理解し、行動してもらうことが大切だと思っている」
若かりし日のジェフは熱血漢だった。味方の打者が死球を受けようものなら「仲間がやられて何も感じないのか!」と感情をあらわにした。さらに、ためらいなく相手打者の胸元をえぐった。だが、時代とともに性格も穏やかになった。日本が「令和」の時代を迎え転換期であることも理解している。
「現代は日本の多くの選手がMLBで成功し、日本の野球はリスペクトされている。元々、僕はお互いに思いやりを持ち、尊重し合う日本文化を好んでいる。みんなに歓迎されて、新助っ人たちはここにいることを本当に楽しんでくれていると思う」
ウィリアムス氏は03年から阪神に在籍し2度のリーグ優勝に貢献した。7シーズンで371試合に登板し、防御率2・20、16勝17敗、47セーブ141ホールドと結果を残した。第2のジェフの出現を、虎党も心待ちにしているはずだ。