作家でタレントの乙武洋匡氏が11日「X」(旧ツイッター)を更新。脚本家の北川悦吏子氏の「病を、感動の道具に使わないで」という投稿について、改めて自身の考えをつづった。
北川氏は8日に「病を、感動の道具に使わないで。みんな、とても大変な思いをして生きています」と投稿。さらにこの投稿について「みんな、というのは私のような難病を抱えた人たちのことです。ある創作物、ストーリーを読んでいたら、あまりにご都合に病気を扱っていたので、怒りを覚えてこのような投稿をしました」ともつづっている。
ただ、この投稿に乙武氏が反応し「北川さん、それなら『愛していると言ってくれ』や『ビューティフルライフ』は、障害を感動の道具に使った作品なのですか?」と障害や病を持った人物を主人公にした、北川氏脚本によるドラマを例にあげて問題提議した。
これに対し北川氏は「違うよ、乙武くん。障害や病気を道具にしていません。それらをテーマにした作品です。そこをどう生きて行くか、という作品です。その違いは、自ら障害を持つ乙武くんにはわかるのでは?というか、ビューティフルライフに賛同してくれてたよね?あの頃の対談でそんな話をした記憶が、、、」と返信した。
乙武氏は11日にこの投稿に対し「北川さん、改めてその言葉を聞けてよかったです。でも、元の投稿、すごく危ないというか、誤解を生むんじゃないかなって。『私の作品は、きちんと障害と向き合ったものです。でも、あの人の作品は難病を“感動の道具”に使っています』そう読めてしまう。それはちょっと横暴かな、と」と北川氏の考えに理解を示しつつ、疑問の声をあげた。
続けて「今回、北川さんが悲しい思いをした作品も、力量が低いだけでその作者なりに難病と向き合ったつもりかもしれないし(北川さんから見て、とてもそうは見えなかったのだと思うけど)、北川さんの作品だって、障害当事者の中には『障害を“感動の道具”に使いやがって』と感じていた人もいたかもしれないし」と自身の推察を交えてつづった。
さらに「繰り返しになるけれど、僕自身は『ビューティフルライフ』がとても好きな作品だし、感謝もしています。だからこそ、北川さんがあの投稿をすることで、北川さんのこれまでの作品にも『感動の道具に~』という批判を呼ぶ余地を生み出してしまうと思ったんですよね」と今回、賛否を呼んだ原因について、持論を展開した。
その上で「直接LINEしたほうがよかったかな……。でも、このやりとりを見て、北川さんの真意を理解してくれる人がいるなら、結果的にはよかったのかな。ごちゃごちゃとすみません。また、ゆっくりお話ししましょう!」と、北川氏に呼びかけている。
北川氏は1999年に国が指定する難病の潰瘍性大腸炎を発症し、入退院を繰り返している。