ソフトバンク宮崎春季キャンプ(生目の杜運動公園)は第3クール初日となった11日、1万7900人のファンが詰めかけた。祝日で天候にも恵まれ、今キャンプ最多を更新。キャンプらしい光景が広がった。
動員が見込まれる週末や祝日は、選手たちのファンサービスにも力が入る。鷹の主砲・山川穂高内野手(33)もそんな一人だ。午前中の特守を終えた山川の背中越しに少年の「サインくださ~い!」という絶叫が響いた。イスに腰かけて汗をぬぐっていた山川はすぐに振り返るとニヤリ。右手を左ヒジ、左肩、胸の順に押し当ててると、居合わせたファンから笑顔があふれた。少年に向けてサインを送り終えた山川が「今からバッティングなんよ、ごめんね」とわびを入れると、少年もうれしそうに笑みを浮かべてうなづいた。
その後のランチ特打で山川は67スイングで22本のサク越えを披露。高確率できれいな放物線を描き、スタンドのファンを魅了した。サイン色紙やサインボールといった「モノ」もすてきな贈り物だが、記憶に残る特別な交流もかけがえのないファンサービスだ――。