グリ下をめぐって未成年誘拐が相次いでいる。大阪府警は先週、20代男2人を未成年者誘拐容疑で逮捕。さらに59歳の男も同容疑で逮捕。どちらもグリ下に出入りしている未成年が被害者となった。
グリ下とは大阪・ミナミにあるグリコの看板の下のことで、若者が集まることで知られている。東京・歌舞伎町のトー横に対してグリ下と呼ばれている。地元メディアによると、20代男2人はグリ下で女子中学生2人を市販薬のオーバードーズ(過剰摂取)に誘い、ホテルに連れ込んでいた。
また、59歳の男は男子高校生に「行くところないんやったら泊まっていったらいいよ」と声をかけて自宅に連れ込んだ疑いがある。自宅からは男子高校生を含む13歳から17歳の中高生男女4人が見つかり、警察に保護された。少年らはグリ下に出入りしていたという。
男は「寝床を与えただけで誘拐なんかしていない」と否認しているというが、そんなことあり得るのか。
トー横やグリ下の取材をするジャーナリストは「トー横やグリ下には若者だけが集まっているわけではなく、オジサン世代もやってきます。この59歳男性についてはグリ下界隈で目撃されていたようで、『わいせつ行為が目的ではなく1人で寂しかったのではないか』とささやかれていました」と話した。
寝る場所を提供しただけという話もあり得なくはないというのだ。「行き場のない若者が集まるように、孤独なオジサンもやってくるんです」(同)
そんなグリ下では昨年、変化があった。〝グリ下の帝王〟が逮捕され、不同意性交の罪などにより大阪地裁で懲役7年が言い渡されたのだ。
「帝王はその界隈に頻繁に出入りして、ルールを作って守らせるなどしています。例えばオーバードーズの禁止などです。グリ下では新しく帝王が現れつつありますが、少し規律は緩くなっていますね」(同)
いい方向に変わっていけばいいが…。