俺にプロレスを教わりたい人はおいで。ノアのGHCヘビー級王者・OZAWA(28)が今後の展望をふてぶてしく語った。11日の後楽園大会でガレノ(23)を下し初防衛に成功すると、GHCナショナル王者の征矢学(40)から挑戦表明を受け、即受諾した。嵐を呼ぶこの男は今、何を考えているのか。その胸中は…。
圧巻の初防衛だった。前哨戦で強奪したマスクを使い、戦前からコケにし続けたガレノに怒りの猛攻を受けるが、要所で人を食ったような動きを見せて致命傷を回避。途中、マスクを放り投げて隙をつくったかと思えばセコンド介入、ダンスと奔放な戦術を駆使してペースを譲らない。
終盤は華麗な身のこなしでKSD(拳王スペシャルデスティーノ)や雪崩式スパニッシュフライでたたみかけ、最後はRealRebelで飛んで3カウントを奪った。その試合後、征矢から「俺が、情熱的に、情熱的に、情熱的に、そのベルトに挑戦する!」と宣戦布告されると「いいよ」とアッサリ受諾し、唯一の条件にダブルタイトル戦を要求。これが認められ、3月2日の横浜武道館大会でのダブル王座戦が正式に決まった。
OZAWAは「俺、全然ベルトに興味ないんだよね。別に誰かに『ちょうだい』って言われたら、あげてもいいくらいで、防衛とかどうでもいい」と説明。だが、防衛戦には意義があるとして「指導の場だと思ってるんだよね」と奇妙なことを口走りこう続けた。
「〝俺より先にこの業界に入ったことだけがとりえのみなさん〟に指導してあげたいんだ。いつまでも旧態依然のプロレスをしている場合じゃないって。今日も(超満員札止め1560人の)お客さまがOZAWAを見に来たっていう現実があるわけだから」
つまりOZAWAには征矢も指導する対象に見えているというわけ。胸を貸すつもりで戦うと宣言すると、征矢への指導ポイントとして「気持ちは大事だけど、情熱一点張りで突破しようとしているのが浅はかだよね~。情熱だけでお客さまは来るわけないでしょ。〝プロレスはそんな簡単じゃないんだよ〟っていうメッセージを戦いで伝えたい」と答えた。
そして、この征矢戦を見たベテランたちがこぞって自らに教えを請うべく挑戦してくることも予想。「〝今までのプロレスのみなさん〟はどんどんチャレンジマッチを仕掛けてきてほしいな。そうやってプロレスが盛り上がっていけば、教えがいがあるから」とほほ笑んだ。方舟に現れたダークヒーローの勢いは、衰える気配がない。