フジテレビ黄金期を支えたフリーアナウンサーの近藤サト(56)が当時を振り返った。
11日放送の日本テレビ系「上田と女がDEEPに吠える夜」に出演。近藤は1991年にフジに入社。当時は「女子アナ」ブーム全盛だった。始まりには諸説あるが、1987年にフジが「アナ本」を出版し、自局の女性アナウンサーを「花の女子アナ14人衆」と紹介したことが大きかったとされる。アナ本が発売された87年には中井美穂が入社。翌87年には河野景子、八木亜希子、故有賀さつきさんらが一員となり、フジの黄金期をけん引した。
近藤は「FNNスーパータイム」をはじめ、「笑っていいとも!」や「学校ではおしえてくれないこと!!」など多ジャンルで活躍。エースアナとして駆け抜け、98年に退社した。
フリーアナとなった近藤は、局アナ時代とは打って変わって、髪を染めるのをやめ、自然なグレイヘアに変貌。近藤はその経緯について「私、フジテレビの女性アナウンサーとして1991年に入社したんですよ。当時はバブルの残り香があって、『女子アナ』と呼ばれた時代。若く、美しいってところが求められていて…。じゃないと『フレームの中に残れない』という強迫観念(があった)。だからそこに残り続けるためにしがみついてきた」と振り返った。
しかしある時、心境に〝変化〟が起きる。
「『これは自然の摂理、老化というもの抗っている。勝ち目のない戦い』ということに気付いて。それで早く戦いから降りた方が、精神的に健康的だなと思って…」と、白髪染めをやめたという。
古巣のフジテレビは元タレント中居正広氏の女性トラブルに端を発した騒動で揺れている。かねての企業風土が問われる場面も出てきた。近藤の告白は「女子アナ」としての重責を表すものかもしれない――。