【公式リポーターまつかよが見たMリーガー】先週3日の第1試合でトップを取ったのは黒沢咲選手。勝利者インタビューでは、1試合で2度“1鳴き”したことについてうかがいました。門前高打点の「セレブ打法」で知られる、めったに鳴かない選手なので、視聴者の皆さんもあの2回の「ポン」には驚いたはずです。
質問の答えとして返ってきたのは「自分の麻雀を見直しているところもある」「柔軟にやっていけたら」。昨年、私のラジオにゲスト出演してくれたときも結果が伴わないことに対する苦しさを語っており、どうやら自らの戦術についていろいろ考えられている様子。だからもう少し突っ込んでみようと、「以前は『鳴いたらよくないことが起こってしまう…なんてことを考えながら打っている』と話されていましたが」と振ってみました。どんな答えが返ってくるか分かりませんでしたが、麻雀のスタイルに関する話題は深い話につながることも多いし、ファンの皆さんも知りたい部分。思い切って聞いてみたのです。
結果は…さすが黒沢選手。しっかりと自らの変化について説明してくださいました。絶対に鳴かないというわけでもなく、必ずしも鳴かないわけでもない。「妥協するような鳴きをするとうまくいかないケースが多いので、しっかり前に出て行くぞという鳴きだったり、手を高くするための鳴きはいいかな~と思いながら打っています」と。
言葉の端々から伝わってきたのは葛藤です。ファンから求められるスタイルもある一方で、勝たないといけないプレッシャーもある。おそらく何度も自問自答したうえで今回の変化にたどりついたことがうかがえました。このようなトッププロの成長や歴史を目の当たりにできるのがMリーグの魅力なのですが、中でも黒沢さんは初年度から今まで、結婚や出産も含めた人生そのものを、ご自分の言葉と麻雀でしっかり魅せてくれています。今回のインタビューで、改めて本当にすてきだなと感動した次第です。