ノアのGHCヘビー級王者Yoshiki Inamura(稲村愛輝=33)が、OZAWA(29)に〝教育的指導〟を施すことを約束した。来年1月1日の東京・日本武道館大会でのV2戦で激突するが、一時の「改心」を捨てて黒いスタイルに戻った挑戦者への真っすぐな思いを激白。その憎しみを全て受け止め〝方舟シップ〟を前進させるつもりだ。
決戦を前に、王者はペースを乱されている。9月の左足ケガでの戦線離脱以降「氣(気)付き」「改心」といったキーワードを使い悪行から距離を置いていたOZAWAを信用していた稲村だが、まんまと裏切られた。2日の公開調印式で背中を見せた瞬間、松葉づえでめった打ちにされた上にカステラを口に押し込められKOされたのだ。
それでも稲村は「ミーは今でも彼をトラスト(信用)しています。『ああなることは分かっていた』と皆さんは言いますが、ミーは黒くなる前のグッドガイだった彼を知ってるので」と前を見る。その理由を「人の性格は簡単にはチェンジしないはずなので、まだ真っ黒には染まっていないと思うんです。どこかに〝きれいなOZAWA〟がいると信じています」としてテンガロンハットをかぶりなおした。
OZAWAからは英国武者修行中にヒザの靭帯を痛めるケガをした際、稲村が「練習をサボってケガをした」とウソの報告を会社にしたために治療費40万円を支払う羽目になったと公にされた。これに稲村は「反論させていただくならば、ミーはオフィスに正しい情報を提供しただけです。ウソをついても誰にもメリットはないと思ったので。まさに逆恨みですよね」と残念そうに話す。
それでも「もともとヘイト(嫌悪)していた人が少しでも自分に不利益をもたらしたら、ますますヘイトしてしまうのは人間のさがだと思います。だから、その前からミーが何か嫌なことをしていたのだとしたら素直に謝りたい」とうつむく。だが、その後も続くOZAWAの〝口撃〟には「彼は話がうまいので。みんなが彼の言うことを真に受けすぎているように感じますね」と眉をひそめた。
年明けの決戦では、そんなOZAWAの闇を受け止めて勝つつもりだ。OZAWA率いる「TEAM 2000 X」メンバーによる介入も予想されるが「それも対処できる自信があります。それこそ、WWEで経験を積んできましたから。フェア&スクエア(正々堂々)にミスターOZAWAを倒します」と意に介さない。そして「彼のピュアでホワイトな部分を取り戻させるためにも、彼をエデュケート…教育して、リアライズ…氣付かせたいです」と拳を握った。
その思いはOZAWAに届くか、それとも――。