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トンネルなのに“スケスケ”なんだけど意味あるの!? 道路を覆うトンネルっぽい“網”

乗りものニュース 2024年7月27日 14時12分

高速道路などを走っているとたまに、金網で覆われたトンネルのような構造になっている場所があります。あれはどのような意味があるのでしょうか。

設置場所は高速道路と”相性イイ”お隣りさん?

 高速道路などを走っているとたまに、金網で覆われたトンネルのような構造になっている場所があります。雪国で見かけるスノーシェッド(雪覆い)にも近いですがスケスケで、雪の重みには耐えられそうもありません。なんのための構造物なのでしょうか。

 関東では、関越道の東松山ICの南側などで目撃するこの構造物は、「飛球防護柵」と呼ばれます。「飛球」と名にあるように、高速道路へ“飛んでくる”可能性のあるもの、主にゴルフボールの対策として設置されています。

 原理的には、野球場などに取り付けられているバックネットなどと同じように、柱や梁(はり)に金属製の網をかぶせてボールを防ぎます。

 ゴルフでは、自然の山の斜面を活かした山岳コースが、ゴルフ場の基本形のひとつになっています。そのため山ふもとや中腹部分にはよくゴルフコースが作られるのですが、そういった場所は、用地買収などがしやすいため高速道路にとっても適した土地になります。

 そのため、高速道路とゴルフ場が隣接してしまうケースも多く、飛球対策のためにこうした防護柵が必要になっているのです。

 ただ、山間部だけというわけではなく、かつては首都高にも、このような防護柵が存在しました。11号台場線のレインボーブリッジから台場側の有明JCTに接続する手前の沿道にゴルフ練習場があり、そこから飛んでくるボールを想定したものでしたが、現在、ゴルフ練習場は物流倉庫になり、防護柵も撤去されています。

 1980年代後半から90年代前半まで続いたバブル景気時代は、ゴルフ場建設ラッシュが起き、全国各地に多数にゴルフ場が作られましたが、その数は年々減っています。ただ新しい「飛球防護柵」が作られていないわけでもなく、静岡県の国道138号須走道路・御殿場バイパス工事の際、バイパス沿いにゴルフ場が隣接したため2020年4月に飛球防護柵の設置が決まり、2021年2月に完了しています。

 なお、金網のトンネルは飛球防護を目的としたものだけでもありません。一部では、鳥の生育環境を守る対策として、高速道路を金網で覆う措置が取られたケースもあります。

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