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「原付二種、なかでもカブ一択!」フードデリバリー配達員が断言するワケ 数少ないデメリットも

乗りものニュース 2024年8月3日 19時12分

ウーバーイーツをはじめとしたフードデリバリー配達員の多くが使用する原付二種。その中でも愛用車が多いのはスーパーカブです。では、なぜカブがそこまで愛されるのでしょうか。実際に所有する筆者の意見とは。

フードデリバリーに最適なバイクって?

 2016年9月に「ウーバーイーツ(UBER EATS)」が日本でシェアリングデリバリー(配達代行サービス)を開始したことを皮切りに、街中でフードデリバリーの配達員が働く姿を見る機会が増えました。そんな彼らが配達手段で用いているのが、自転車やバイク、軽自動車です。

 なかでもバイク、とりわけ排気量125cc以下の原付二種は、自動車税が低く抑えられているほか燃費に優れることで維持費が安く、他方で原付一種(50cc以下)のような30km/h制限や二段階右折の義務がないので使い勝手が良く、加えて緑色の事業用ナンバープレートを取得する必要がないことから、配達員の“良き相棒”として重宝されています。

 かくいう筆者(山崎 龍:乗り物系ライター)も、配達員のひとりとして原付二種を愛用しています。ライター業は比較的時間が自由になりますし、隙間時間に好きな分だけ働けるフードデリバリーという仕事は、自営業の副業には最適です。

 フードデリバリーで仕事中、待機時間などにバイクで仕事をしている同業者と世間話をすることがあります。ときには使用するバイクの話題となることもありますが、聞いてみると愛車に何かしらのこだわりを持つ配達員も少なくはありません。

 さまざまな人たちのハナシを総合すると、彼らが使用するバイクも、その多くが原付二種でした。50ccの原付一種は取得が簡単な原付免許で乗れることもあり、二輪免許を持っていない人がバイクで始めるのに適してはいますが、原付一種には法律上の厳しい制約があり、公道などでは違反を検挙しようと警察が目を光らせているので、長期的に見ると二輪免許を取得してしまった方がよいでしょう。

原付一種と普通自動二輪が不向きなワケ

 では、反対に126~250ccの普通自動二輪はどうかと言えば、原付二種よりも車体が大きく重くなって狭い道や行き止まりなどで取り回しが悪くなるほか、燃費や任意保険などの維持費も高くなります。加えて、フードデリバリーの仕事ではゆとりのある動力性能も活かせるシチュエーションはそうないので、選ぶメリットは少ないようです。

 ただし、現在所有しているバイクを配達にも使いたい場合や、郊外在住の人が自動車専用道を使って移動し、需要の多い都心で仕事をしたい場合には選択肢のひとつになります。なお、注意すべきは普通自動二輪で配達業務をするには事業用ナンバープレートの取得が必須なので、その点でも原付二種とは異なります。こうして見てみると、原付二種が最適という理由がわかるでしょう

 なかでも、最もフードデリバリーに適したバイクと言えるのがホンダ「カブ」シリーズです。これは筆者が「スーパーカブ110(JA44型)」を愛用しているからというだけではなく、65年以上に渡って郵便や新聞配達、飲食店の出前、警察などの官公庁といったビジネスの最前線で常に活躍してきたバイクというのも大きな理由です。

 カブシリーズには経済性、堅牢性、積載性、操作性、整備性と長所がいくつもあります。多くの伝説を持つバイクだけあって、今さらカブの利点について多くを語る必要はないでしょうが、カブを配達に使っている筆者が中でもとくにメリットとして感じたのは、整備性の良さです。

 いちいちカウルを外さないとメカにアクセスできないスクーターと違い、カブは構造がシンプルなため、メンテナンスをするのに手間が少なく、ちょっとした機械の心得と必要最低限の工具さえあれば、誰でも簡単にDIYで点検・修理ができます。しかも、長期にわたって大量生産され、全国津々浦々まで普及しているベストセラーバイクということで部品の入手性はピカイチ。各パーツの価格も低く抑えられています。

原付二種のスクーターなら?

 幸いなことに筆者はまだ経験していませんが、万が一素人では手に負えないような重大トラブルが発生しても、カブならどこのバイク屋でも修理を請け負ってくれます。また、出先でパンクしてもチューブタイヤを履いた以前のモデルなら自転車店でも修理が可能でした。

 こうした整備性の良さから、筆者は日常点検を始め、オイルやタイヤなどといった消耗部品の交換まで、必要な作業はプロを頼ることなく自身で行っています。これにより維持費を大幅に節約できるだけでなく、店への持ち込みの手間や作業の待ち時間を省くことができ、そのぶん仕事に充てることができるわけです。

 筆者としては、フードデリバリーの仕事をするなら選択肢は「カブ一択!」と言いたいところですが、なかには「ギヤチェンジが面倒」「やはりスクーターがほしい」という人もいるでしょう。

 そういった点を加味すると、次点でオススメするのが、ヤマハ「アクシスZ」とスズキ「アドレス125」です。荷物の積載にも利用できるフラットフロアを採用しているため使い勝手に優れており、燃費性能と経済性に優れたスクーターです。どちらもスーパーカブにはないトランクスペースを持つのが魅力です。

 両車もやはりカブなどと同じく、通勤・通学に使う人が多い車種でもあり、取り回しが良く、スクーターの中では耐久性に優れています。また、ベーシックな車種ということで新車価格が手頃なのもメリットとなります。ただし、シートはどちらも若干硬めなので必要に応じてゲル内蔵座布団、いわゆる「ゲルザブ」などを使用すると良いでしょう。

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