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都県境の急坂“完全消滅”からさらに激変!? 多摩-川崎の新ルート開通へ “ジャイアンツの街”を貫く

乗りものニュース 2024年8月3日 12時12分

東京・神奈川都県境の遊園地「よみうりランド」周辺が激変しています。谷から山の上へ駆け上っていた坂は完全に埋められ、その上では“新球場”が建設中。さらに、隣の住宅街ともつながります。

激変の都県境、さらに変わるぞ!

 東京都稲城市と神奈川県川崎市にまたがる遊園地「よみうりランド」の北側は、ここ数年で道路が付け替えられ、風景が一変しました。そして、周辺の土地開発とともに、道路ネットワークがさらに広がろうとしています。

 京王よみうりランド駅(稲城市)から南へ、都県境を越えて遊園地に通じる「よみうりランド通り」は、2021年に「稲城よみうりランド坂トンネル」経由の新ルートへと付け替えられました。ループ状のトンネルを駆け上がり、いまはまだ荒涼とした光景が広がる造成地へ出るという、特異な線形に生まれ変わりました。

 それまで「ランド坂」と呼ばれていた、低い谷筋から急勾配のヘアピンカーブを経て、遊園地のある丘の上へと一気に駆け上がる旧道は、付け替え後に埋め立てが行われ、完全消滅。2024年現在、かつての坂はトンネル上の造成地とほぼ同じ高さになっています。

 そこへ建設が進んでいるのが、プロ野球・読売ジャイアンツの新球場です。谷が埋め立てられた部分には、国内初となる「水族館一体型の新球場」を核とした「東京ジャイアンツタウン」が形成されます。

 さらに、このジャイアンツタウンのエリアと、その西側で造成が進んでいる住宅エリアがつながることで、道路ネットワークもさらに拡張されます。

 もともと、ランド坂の付け替えや東京ジャイアンツタウンは、この「南山」と呼ばれる地域一体の土地区画整理事業の一環です。昭和の多摩ニュータウン開発から取り残され、長らく手付かずの山林だったエリアがいま、大規模に「開拓」されているのです。

今は行き止まりの住宅街が“つながる”

「南山」は、京王相模原線の京王よみうりランド駅から稲城駅付近にかけて線路南側に広がる急峻な北向きの崖地を指します。戦後の農地開発や山砂の採取に起因する崖地の崩壊リスク、さらに不法投棄の問題などを抱え、山林のままでした。

 この急峻な地形を開発した南山地区には、京王線北側の市街地から主に2つの道路でつながっています。中央道の稲城ICからまっすぐ延びる道路の延長線上、南山リハビリテーション病院のある低いエリアと、稲城駅方面から延びる道路がつながる、スーパー・ヤオコーなどがある高いエリアです。

 高いエリアからは、さらに南山小学校などへ通じる道沿いに住宅開発が進んでいますが、現在、この住宅街エリアは川崎側への道がなく、ジャイアンツ球場・遊園地(よみうりランド)とは隔絶されています。しかし、いずれのエリアの道路も、よみうりランド通りとつながる予定です。

 なかでも住宅街エリアの中心を貫く稲城駅-ヤオコー方面と、ジャイアンツ球場をつなぐ道は、南山東部土地区画整理組合によると2024年度末の開通予定とのこと。この7月に新球場の名称が「ジャイアンツタウンスタジアム」に決まり、2025年3月開業と発表されたので、道路の開通もその時期と思われます。

 ジャイアンツタウンスタジアムでは、イースタン・リーグ公式戦のほか、女子チームや2024年に新設されたU-15ジュニアユースチームの活動の場になるとのこと。合わせて道路が開通することで、遊園地エリアも新たに稲城駅方面からのアクセス路が開けることになります。

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