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「ムカついたからといって撮らないで」駅係員へのカスハラ 東急が対応方針を制定

乗りものニュース 2024年8月5日 18時12分

暴行、土下座の要求、差別発言…etc。

カスハラに該当と判断→対応しません

 東急と東急電鉄は2024年8月1日(木)、カスタマーハラスメント(カスハラ)に対する方針を策定しました。カスハラとは、利用客などからのクレームや言動のうち、要求内容の妥当性に照らして、その要求を実現するための手段や態様が社会通念上不相当なものであって、そのために従業員の就業環境が害されるものをいいます。両社は、「従業員の人権を尊重し、また尊厳を守ることにより、従業員が安心してお客さまへのサービスを維持・向上し提供できるよう定めた」としています。
 
 では具体的に、どういった行為がカスハラに当たるのでしょうか。東急と東急電鉄は以下のような例を挙げています。

■身体的または精神的な攻撃(暴行、傷害、脅迫、中傷、名誉棄損、侮辱、暴言)
・従業員のネクタイを引っ張る、頭を小突くなどの暴力行為
・怒鳴りながらICカードを投げつけるなどの暴力行為
・容姿を揶揄する発言、能力を否定する侮辱的な発言
・従業員へ向かって唾を吐きかける行為

■威圧的な言動
・従業員へ「お前はバカか」などの罵声を繰り返す言動
・「会社を退職しろ」「うちまで土下座しに来い」など不可能なことを要求する行為

■拘束的な行動(不退去、居座り、監禁)
・長時間に及ぶ拘束、不合理な要求を繰り返す行為
・ダイヤ改正に対し長期間にわたる不服の申し入れ行為

■土下座の要求
・罵声を浴びせ土下座を強要する行為

■継続的な言動、執拗な言動
・合理的な理由なく対面や電話、メールにて数十回にも及ぶ問い合わせをする行為、事前の連絡なく突然来社する行為

■差別的な言動、性的な言動
・従業員への外見を侮辱する発言
・従業員への性的な言動、つきまとい行為

■従業員個人への攻撃、要求
・お客さまセンターへのメールにて脅迫的な暴言を記載する行為
・盗撮する行為

■SNS/インターネットなどへの従業員個人情報の投稿、誹謗中傷、同意のない音声や画像の公開
・SNSに当社従業員実名入りで投稿する行為
・従業員の同意がない状態で無断で従業員を撮影する行為

■不合理または過剰な商品交換、サービス、金銭補償、謝罪の要求
・お客さまが虚偽の事実に基づき、不当な慰謝料の請求をする行為

 また事例として、利用客から忘れ物の捜索依頼があり列車内を捜索したものの発見できず、それを伝えたところ「従業員の探し方が悪い」と怒り出し、無断で従業員の様子を動画撮影、SNSへ投稿、というものを紹介しています。

 対応としては、利用客の要求や言動がカスハラに該当すると判断した場合、対応を中断または断り、悪質と判断される場合は、警察や弁護士などと連携し、組織として厳正に対処するとしています。同時に社内対応としても、カスハラに関する知識や対処方法の教育などを実施し、サポート体制や相談体制を構築するとのことです。

 東急電鉄が2023年度に従業員へ実施した意識調査では、鉄道の現業で働く4人に1人が「直近1年間においてカスハラを受けたことがある、もしくは職場で見聞きしたことがある」と回答しています。

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