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東武鉄道に「顔パス」システム導入へ! まず「一部列車」から路線拡大 「改札なら“顔”だ」その優位性とは

乗りものニュース 2024年9月5日 14時12分

東武鉄道と日立製作所が提供する生体認証を活用したプラットフォームサービス「SAKULaLa」は、商業施設などだけでなく鉄道利用にも活用されることが計画されています。まずは、

鉄道には「顔認証」 まず導入される列車は?

 2024年9月3日、東武鉄道と日立製作所は生体認証を活用したプラットフォームサービスを拡大し、サービス名を「SAKULaLa」とすることを発表。すでに東武グループの商業施設で導入されているサービスを、今後は鉄道でも導入することを明かしました。

 東武グループでは2024年4月から東武ストア3店舗で指静脈認証による決済サービスが実施されています。今後、これをグループ外の店舗などにも提供するほか、2025年度から生体認証に顔認証サービスも追加し、鉄道でも導入する意向であるとのこと。

 なお、指静脈認証と顔認証という異なる生体認証に対応するシステムは日本初とのことで、東武鉄道の前田隆平企画本部長は「正確性は指静脈、迅速性に関しては顔認証が優れています」と説明。鉄道との相性が良いと考えているそうです。

 東武はまず2025年度中に、東上線で運転されている座席指定制の有料列車「TJライナー」に、本サービスを活用する方針です。

「TJライナーでは確認にスピードが要求される観点から顔認証を使いたいと思っています」と前田企画本部長。池袋駅からのTJライナーでは、専用ホームで座席指定券のQRコードをかざして改札する必要があり、顔認証になれば迅速化が図られるでしょう。さらに将来は、ほかの東武線にもこの顔認証システムを自動改札に導入したいとの考えです。

「東武鉄道のみで完結するものに関しては、順次としかいえませんが取り入れていく方針です。乗り入れ路線の場合は、東武に顔認証で入って出るときはPASMOとなっては意味がなく、同業他社との調整が必要です。今のところ、その段階までは至っていません」(前田企画本部長)

 現在、生体認証の登録は東武の新越谷駅、川越駅、志木駅の3か所とソラマチ1階の「SAKULaLaポップアップストア」でしか行われていませんが、今後はこれを拡充し、さらに顔認証に関しては、スマートフォンを介しての登録サービスなども予定しているそうです。

 東武は生体認証について、セキュリティを強化できるほか、誰もが利用できる安全で便利な公益性の高いデジタルサービスと考えているとのこと。

 たとえば、高齢者はデジタルサービスの利用が少ない傾向がありますが、いちど生体情報を登録してしまえば、これまでスマートフォンの操作がわからずできなかったポイントの付与やデジタルでの決算を簡単に行うことができ、年齢間の情報格差を是正することにも役立つといいます。また、災害時に身分証明書を全て失った状態であっても、生体データさえ登録していれば、迅速な本人確認が可能。従来は1か月ほどかかることも珍しくなかった罹災証明などを早く発行することもできるということです。

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