西武鉄道の特急「ラビュー」が、本来の走行区間ではない拝島線で試運転を行っていました。どのような目的があるのでしょうか。
日中の拝島線で「ラビュー」が走行したワケは?
2019年3月にデビューした西武鉄道の特急001系「ラビュー」。定期列車は池袋線・秩父線の池袋~西武秩父間のみで運行されていますが、2024年10月、日中時間帯に拝島線で試運転が行われました。どのような目的があるのでしょうか。
「ラビュー」は、「いままでに見たことのない新しい車両」というコンセプトの下、建築家の妹島和世さんがデザイン・監修を担当。景色が溶け込むカラーリングや、足元まで広がる大きな窓が特徴です。前面の窓は曲線半径1.5mのガラスをくりぬいたもので、日本ではワイパーが作れず、フランス製を採用するなど、西武鉄道がこだわり抜いて送り出した車両です。
臨時列車では新宿線を走行した実績があり、直近では2024年7月に本川越~西武球場前間で運転されています。ただ10月12日(土)、小手指車両基地→所沢→西武新宿→拝島→田無→南入曽車両基地→所沢→小手指車両基地という、池袋・新宿・拝島3線を縦横無尽するような経路で試運転が行われました。
これまで「ラビュー」と縁がなかった拝島線で日中に試運転が行われたということで、沿線の注目を集めました。
なんで拝島線で「ラビュー」を走らせたんですか!? 聞いてみた
西武鉄道によると、「ラビュー」は新造時に新宿線では試運転を行ったことがあるものの、拝島線で試運転を行うのは今回が初めてだといいます。
池袋線系統の「ラビュー」に対し、新宿線系統の定期特急は先代車両である「ニューレッドアロ―」での運転が続いていることから、西武鉄道の株主総会などでは、特急列車の設備に格差があるとして、新宿線系統に「ラビュー」の導入を求める声があがったこともあります。今回の動きは新宿線系統への「ラビュー」導入に向けた布石なのでしょうか。
今回の試運転について西武鉄道は「2018年に車両の性能を確認する走行試験を新宿線で実施しましたが、新造時に測定できなかった箇所を再確認するために実施しました」と話します。
あくまでも走行試験のため、拝島線での「ラビュー」導入を見据えた試運転というわけではなく、新宿線で予定されている有料着席サービス刷新との関連もないといいます。また現時点では、団体臨時列車などでも「ラビュー」が拝島線を走行する予定はないそうです。