総力戦で運ぶ!
災害増える貨物列車の泣き所「山陽線」
JR貨物は2024年10月25日、「北九州地区(山陽線西部)における鉄道物流の災害による輸送障害に対するBCP策定に向けた官民一体の検討会」での取り組み内容を発表しました。
本州と九州をつなぐ貨物列車の大幹線である山陽本線は、近年しばしば豪雨災害で寸断され、貨物が滞る事態が発生しています。このため、JR貨物をはじめ国、自治体、日本通運などの運送事業者からなる検討会で代替輸送の在り方などが話し合われてきました
代替代替の基本はトラックや内航海運による方針です。山口県の新南陽駅をトラック代行拠点駅として機能強化するほか、船舶による代替輸送を目的に、499総トンの船を物流事業者と共同保有する取り組みも行っています。
鉄道不通時には、全国からコンテナ積載トラックが集まる想定です。このため、貨物輸送周辺におけるトラックの夜間・休日駐車場の確保がボトルネックになりかねないことから、北九州貨物ターミナル駅周辺に駐車場スペースとして公共用地等の提供を要望。これについて、貨物ターミナル駅近傍の岸壁の後背地や隣接地(北九州市有地)を候補地とすることを確認しました。
また、船舶代行時には北九州市の港湾バースの確保や荷役作業の協力が必要になることから、港湾管理者への速やかな使用許可申請や、許可対応の迅速化についても確認しています。
トラック輸送については、コンテナ2個積みや3個積みなどで高さ・重さの基準を超え、走行に特殊車両通行許可が必要となる場合に、その許可取得に手間を要することも課題になっています。その許可交付について、自治体・国が迅速な対応に協力することも確認されました。
また、北九州貨物ターミナル駅周辺ならびに同駅から関係港までの想定通行経路は、全て「高さ・重さ指定道路」に指定済みだそうです。これにより代行輸送の迅速な立ち上げにつながるといいます。