航空自衛官も約20名乗り込んでいるとか。
派手な上着は作業を安全かつ効率的に実施するため
海上自衛隊は2024年10月25日、米本土沖で戦闘機の艦上運用試験を実施する護衛艦「かが」の画像も複数公開しました。
「かが」は、ヘリコプターを複数同時運用可能な、いずも型護衛艦の2番艦で、基準排水量は1万9500トン、全長は248mにおよび、海上自衛隊では最大の戦闘艦艇となります。
2017年3月に広島県の呉基地を拠点とする第4護衛隊群第4護衛隊に配備されていましたが、姉妹艦の「いずも」とともに事実上の軽空母へと改装されることが決まり、2022年3月から、2024年4月までそのための特別改造工事が実施されていました。
このたび米本土沖へと派遣されたのは、改造によって所要の能力が計画通り付与されているか確認するためで、アメリカ海軍・海兵隊の協力のもと短距離離陸・垂直着陸(STOVL)が可能なF-35B戦闘機を使って、さまざまな試験が実施されています。
なお、「かが」には研修のためパイロットや整備員など約20人の航空自衛官が乗艦しており、今回、海上自衛隊が公開した画像でも航空自衛官がアメリカ海軍の原子力空母と同様、役割ごとに色分けされたベストを着て任務に就いている様子が確認できました。
空母の飛行甲板で作業する航空要員は、アメリカ海軍では「フライトデッキ・クルー」と呼ばれ、各種作業を安全かつ効率的に実施するために、役割分担をしています。その役割が一目でわかるようにするための工夫が、“派手な上着”で、その見た目から「レインボーギャング」と呼ばれることもあります。
「かが」は11月中旬に一連の試験を終えて、12月に呉基地へと帰還する予定です。航空自衛隊では2025年よりF-35B戦闘機の導入が始まるため、それに合わせて自衛官の「レインボーギャング」も実任務に就き始めるでしょう。