2024年度が一つのヤマになるけども……。
島根県内は全部で173km!
鳥取・島根・山口3県の日本海側を縦断する「山陰道」の建設が進んでいます。なかでも最も長いのが島根県内で、その距離は173kmに及びますが、まもなく大きなヤマを迎えることとなります。
島根県内では2024年度、出雲市内の未開通部「出雲・湖陵道路」4.4kmと「湖陵・多伎道路」4.5kmが開通する予定です。これにより、山陰道は鳥取県内から出雲地方を越え、石見地方の大田市の西端までがつがなります。
さらに2025年度には、県西部の浜田市と益田市を結ぶ「三隅・益田道路」15.2kmが一挙開通予定。ここができれば173kmのうちの9割近くが出来上がることになります。
大田市と江津市のあいだの未開通部である「福光・浅利道路」6.5kmは、2024年度始め時点で事業進捗率46%となっており、一部高架橋は上部工までできてきています。開通見込みは発表されていませんが、ここができれば、あとは益田市から山口県境にかけてのわずかな区間を残すのみとなります。
では、益田市以西はどのような状況でしょうか。この10月には、益田市以西の区間で最大のボリュームとなる「益田西道路」9.1kmの進捗が、中国地方整備局の事業評価委員会で共有されました。
この区間は海沿いをいく国道191号から離れ、萩・石見空港より内陸側に迂回するような線形です。2020年度に事業化し、進捗率は2024年度末には用地で13%、全体では6%になる見込みだといいます。開通はまだまだ先になる模様です。
島根県西部―山口県の山陰道は「九州への近道」
島根県内の海沿いを縦貫した国道9号は、益田市で山側へ進路を変え、JR山口線に沿って中国道へ連絡しますが、益田から中国道まではかなり距離があります。
これに対し、山陰道は山口県の長門市まで海沿いを進み、そこから内陸へ折れて下関市内の中国道へ直結する線形となり、“九州への最短経路”を形成する見込みです。益田市では特産品であるメロンの九州方面への出荷など、山陰道によって農産物の販路拡大が期待されています。
ただし、山口県内は63kmのうち、現時点で開通しているのは20kmに留まります。島根県内の大部分で開通の目途が経ち、ようやく山口県側の整備も本格化していきそうです。