県境区間は特に厳しい状況です。
芸備線は開示対象区間を3つ抱える
JR西日本は2024年10月29日(火)、利用が少ない管内線区の、2021~2023年度の3か年平均収支率を公表しました。同社は「地域の皆様と各線区の実態や課題を共有することを目的」としてデータを開示。2019年度の実績で、平均通過人員が2000人/日未満の17路線30区間を挙げています。
100円の営業収入を得るのにどれだけの営業費用を要すかを表す「営業係数」が最も高かったのは、芸備線の東城~備後落合間で「11766」でした。1万1766円を費やして100円を得ているという状況です。平均通過人員は、分割民営化によりJR西日本が発足した1987(昭和62)年度比で96%減です。
次いで営業係数が高かったのが、姫新線の中国勝山~新見間で「4042」。続いて木次線の出雲横田~備後落合間「3424」、芸備線の備後落合~備後庄原間「2978」、同じく芸備線の備中神代~東城間「2843」となっています。
なお、上記した5区間の収支率はいずれも3.5%以下であり、開示の対象となった区間を3つ抱える芸備線は、特に広島・岡山県境区間で厳しい状況といえそうです。