機材選定って大変よね…。
社長「数か月程度の遅れ」
2024年に入り、主力製品の「737MAX」が品質問題が発生し、さらに労働組合によるストライキが長期化するなど、苦境を迎えているアメリカの航空機メーカー、ボーイング。同社から複数タイプの新型機の導入を決定しているのが、ANA(全日空)グループです。ボーイングの現状は、ANAグループにどのような影響があるのでしょうか。
ANAグループでは「737MAX」シリーズの737-8と、現在実用化に向けて試験段階にある複通路機「777X」の標準タイプ、777-9の導入を決定。同社では737-8をおもに国内線むけに最大30機、777-9を18機の導入が予定されています。
ANAなどを傘下に持つANAホールディングスの芝田浩二社長は2024年10月に行われた決算会見で「2025年度に納入を計画しているのは、777-9が2機、737-8が2機、787が7機です。これらは(年度内の)できるだけ早い時期で待っている状況です」としたうえ、「一定程度の、数か月の遅れを見込んで現在計画をたてているところです」と話します。
芝田社長は現状ボーイングとは「担当部署は連日やり取りしていますし、私もボーイングの経営陣とこれまで3回ほど話し合いを行いました」とし、また、近々にもボーイングとメール、もしくは電話でコミュニケーションを図る機会を設けているとしています。
737-8はボーイング737シリーズの最新機種である「737MAX」シリーズの1型式であり、全長は39.5m、全幅35.9m、6,570kmの航続距離をもちます。燃費効率の良くなった次世代エンジン搭載に加えて、最新鋭の翼端により、ANAでも使用されている在来のボーイング737シリーズ(737-800など)と比較して約15%消費燃料の軽減が見込まれるなどの優れた経済性を有しているとのことです。ANAでは、現在国内線で運航されているボーイング737-800の後継機として導入します。
777-9は「ボーイング777」をベースにサイズアップなどを図りながら、燃費効率の良いエンジンや新設計の主翼を採用するほか、コックピットや客室を最新仕様に更新した派生型「777X」シリーズのひとつです。初飛行は2020年に行われており、全長は旅客機としては史上最長の76.7m。ANAグループでは、777-9の次世代の長距離国際線フラッグシップとして導入予定です。