商船防衛などに有効?
「マートレット」ミサイルを使用し無人機を撃墜
イギリス海軍は2024年11月2日、「ワイルドキャット」哨戒ヘリコプターを使った無人機撃墜実験に成功したと発表しました。
この実験は、ワイルドキャットが軽量多目的ミサイルの「マートレット」を使用して無人機を撃墜するというものです。
2日にわたりウェールズ沖で実施されたこの実験では、イギリス軍のターゲットドローン「バンジー」を使用して、マートレットの空対空ミサイルとしての性能を試しました。
この実験でワイルドキャットは、外部からの射撃支援などがない状態で、マートレットミサイルのみを使い200km/h前後で飛行するバンジーに命中したそうです。同機が外部の支援なしで無人機をを探知・追跡し、撃墜したのは今回が初めてになります。
ワイルドキャットは、イギリス海軍の空母のほか、駆逐艦、フリゲートからも発着艦可能です。同機は乗船・捜索活動や海兵部隊の人員・兵装輸送を主任務としていますが、今回の実験の成功により、紅海で商船を狙い無人機や巡航ミサイルで攻撃を続けているフーシ派への新たな対策になることが証明されました。また、マートレットは元々多用途のレーザー誘導ミサイルであるため、高速攻撃艇や自爆ボートへの攻撃性能も有しているとのことです。
なお、マートレットミサイルはイギリス海軍が保有する対空火器の中では、高性能かつコストパフォーマンスの高い兵器で、無人機への使用はかなり有効とのことです。イギリス海軍はワイルドキャットの攻撃能力をさらに高めるプランも考えており、2024年秋から実験が行われている「シーヴェノム」ミサイルシステムを使用した敵艦攻撃能力も将来的に付与する予定です。
【動画】撃墜成功! これが、「マートレット」で撃破された無人機です