有楽町線と南北線を延伸します。
有楽町線と南北線の延伸工事に着手
東京メトロは2024年11月5日、有楽町線と南北線の延伸工事に着手しました。
両延伸計画は、2016年や2021年の交通政策審議会の答申で取り上げられ、2022年3月28日に鉄道事業認可、2024年6月17日に東京都から都市計画決定が告示されたことに伴い始まるものです。
有楽町線は、豊洲駅から新線を北へ分岐させ、枝川駅(仮称)、東陽町駅(同)、千石駅(同)を経て半蔵門線の住吉駅に接続します。事業区間は約5.2kmで、うち両端の豊洲駅と住吉駅部分を除く4.8kmを建設します。
豊洲駅はすでに線路4線、ホーム2面のスペースがありますが、利用者の増加などを見据えてさらにホームの増設など駅改良を進めます。枝川駅は相対式2面2線、東陽町駅と千石駅は島式1面2線です。東陽町駅では、東西線の下をくぐる形で同線と直交します。
総事業費は約2690億円です。豊洲~住吉間は約9分で結ばれます。これにより、東京東部・北部や千葉方面から臨海副都心へのアクセス性が向上するほか、東西線の混雑率(木場→門前仲町)がピーク1時間あたり約20%低減すると見込まれています。
南北線は、品川駅(仮称)と白金高輪駅を新たに結びます。途中駅はありません。事業区間は約2.8kmで、うち白金高輪駅部分を除く2.5kmを建設します。
国道15号(第一京浜)の地下に島式1面2線の品川駅を設け、S字の複雑なルートを描きながら白金高輪駅を目指します。白金高輪駅では、すでにある南北線の引き上げ線に接続します。
総事業費は約1310億円です。品川~六本木一丁目間を約9分で結びます。これにより、六本木や赤坂などと品川が直接結ばれます。品川はJR新幹線・在来線や京急線などのターミナル駅ですが、羽田空港にアクセスしやすく、今後はリニア中央新幹線の始発駅にもなるため、新たな国際競争力強化の拠点として再開発が進んでいます。
延伸区間の開業目標は、有楽町線・南北線いずれも2030年代半ばです。東京メトロは「地下鉄ネットワークの強化を通じて、臨海部・都心部へのアクセス利便性の向上や沿線まちづくりへの寄与、東京圏の国際競争力の強化に貢献するとともに、新たな鉄道需要を開拓していく」としています。