米大統領選で勝利宣言を行ったドナルド・トランプ氏が”推している”旅客機のモデルが「ボーイング757」です。実はこのモデル、国内航空会社での導入がなく、国内ではレアな旅客機として知られています。どのような機体なのでしょうか。
過去には「後継モデルを開発すべきだった」発言も
アメリカでは大統領選が行われ、ドナルド・トランプ氏が勝利宣言を発したと報じられています。そのトランプ氏が”推している”旅客機のモデルが「ボーイング757」です。実はこのモデル、国内航空会社での導入がなく、国内ではレアな旅客機として航空ファンに知られています。どのような機体なのでしょうか。
トランプ氏の「757推し」のエピソードは多くあり、たとえば「トランプ・フォース・ワン」と呼ばれる同氏のプライベート機も757。過去には自らが立ち上げたソーシャルネットワーク「TRUTH Social」上で、製造元であるボーイングに対し、757の後継モデルを開発すべきであったと主張。そのときには「速く、美しく、洗練された『カマキリ』のような飛行機で、パイロットからの評価も高い」とコメントしています。
757はJAL(日本航空)、ANA(全日空)でも導入されている旅客機「767」の姉妹機的な位置づけで、共通の操縦システムが導入されています。757の客室は単通路、767は複通路となっており、外観は胴体の細い767といったイメージです。しかし、海外では多くの航空会社で採用され、1000機以上が製造されたものの、先述の通り日本の航空会社での導入はないまま、2005年に生産を終了しました。
日本の航空会社で757の導入がなかったのは、発着枠に制限をもつ羽田空港などを抱える日本市場において、757より1便あたりの席数を多くできる767が好まれた――というのが定説です。また、767は日本製パーツの比率が高いことも選ばれた理由に挙げられるでしょう。
その一方、日本の地方路線では、757よりも小型で、ボーイングが757より前に実用化していた単通路機「737」が好んで使用される傾向にありました。
そのような757ですが、2005年に生産を終了しており、2024年現在はデルタ航空、ユナイテッド航空などがおもに国内線向けの機体として運用しており、アメリカでは「バリバリの現役」です。