伊豆縦貫道は伊豆へ行くだけじゃない!?
国道1号のバイパスでもあり、伊豆縦貫道でもあり、“第三の東名”でもある!?
国土交通省中部地方整備局は2024年11月8日、今年度3回目となる事業評価監視委員会を開催。国道1号のバイパス「東駿河湾環状道路(沼津岡宮~愛鷹)」について関係者間で進捗を共有しました。
「東駿河湾環状道路」は東名高速の沼津IC、新東名高速の長泉沼津ICから専用ランプでつながる自動車専用道で、既存区間は「伊豆縦貫道」の一部を構成します。沼津・三島市街の東側を環状に結び、函南塚本ICから伊豆方面へ延びる高規格道路とつながっています。
今回の「沼津岡宮~愛鷹」区間は、東名とつながる沼津岡宮ICから西へ、東名の愛鷹スマートIC(愛鷹PA)南側の愛鷹ICに至る2.6kmです。
未だ事業化されていませんが、東海道本線の原駅付近の国道1号まで延びる計画があり、文字通り国道1号の沼津市街をバイパスする役割があります。線形的には、沼津の山側の新東名、東名と並行する一段低い位置に形成され、“第三の東名”的なルートになります。
静岡県内の国道1号は自動車専用の高規格バイパスとなっている区間も多いですが、沼津・三島市街の国道1号バイパスは早い段階に造られたため、ロードサイド店が建て込み、渋滞が慢性化しています。
沼津市内には、東京から大阪に至る国道1号の656区間において「渋滞ランキング1位」を記録した区間もあるほどで、周辺の生活道路が抜け道になり、そこでの死傷事故も多いといいます。
延伸区間の終点となる愛鷹ICは、国道1号現道から東名へ延びる「愛鷹インター線」に接続。前出した「渋滞ランキング1位」区間を回避し、東駿河湾環状道路か東名へ迂回することが可能になります。
2018年度末時点で0%だった用地取得率は、2023年度末時点で約72%とのこと。ただし具体的な工事はまだ始まっておらず、埋蔵文化財調査などが行われています。
今回は、地質調査を踏まえた橋梁設計の見直しや、埋蔵文化財の追加調査が必要になるなどして、事業費が84億円増額となる見込みが共有されました。