中国空軍はJ-20戦闘機を200機以上保有しています。
無人航空機との協同戦闘も考慮
中国国営の航空宇宙・防衛企業である中国航空工業集団(AVIC:Aviation Industry Corporation of China)は2024年11月12日、独自開発のステルス戦闘機J-20(殲20)の新型「J-20S(殲20S)」を珠海航空ショーこと「中国国際航空宇宙博覧会」で発表しました。
J-20は、アメリカが開発したF-22「ラプター」やF-35「ライトニングII」といったステルス戦闘機と同世代、いわゆる第5世代に分類される中国のオリジナル戦闘機です。F-22やF-35と異なり、主翼のほか機体前部にカナード(前翼)が付いているのが外観上の特徴で、2011年1月11日に初飛行したのち、2018年2月に作戦部隊への引き渡しを開始しています。
ただ、J-20の原型は1人乗りの単座モデルで、このたび発表されたJ-20は2人乗りの複座仕様なのが大きな違いです。
AVICによると、J-20は優れた中・長距離の制空戦闘能力を有した機体ですが、複座にすることで、対地および対水上の精密攻撃能力を備えるようになるとのこと。また、優れた状況認識、電子妨害、および戦術的な指揮統制能力を付与することにもつながり、UAV(無人航空機)と連携しての戦闘能力も獲得できるようになると説明しています。
なお、既存のJ-20だけでなくアメリカ製のF-22やF-35、ロシア製のSu-57のいずれも単座モデルしか存在しないため、このJ-20Sが世界初の第5世代複座戦闘機になるそうです。
珠海航空ショーは、「エアショー・チャイナ」の名称でも知られる中国最大規模の航空ショーで、中国南部の広東省珠海市で11月12日から17日までの日程で開催されています。