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もう「青春18きっぷ」にこだわる必要なし? リニューアルで優位性に暗雲 使い勝手やコスパは別きっぷで勝負できるぞ!

乗りものニュース 2024年11月22日 9時42分

「青春18きっぷ」がリニューアルしますが、従来の「複数人が」「期間内の任意の日に」使えるといった自由度の高いルールはなくなります。ならば、似たような別のきっぷを使うのはどうでしょうか。使い勝手やコストパフォーマンスを比べました。

「青春18きっぷ」が衝撃のリニューアル

 冬にリニューアルして登場する「青春18きっぷ」。その内容には、様々な声が上がっています。ここで「青春18きっぷ」のリニューアルポイントを見てみましょう。

・自動改札の利用が可能に
・北海道新幹線オプション券区間の拡大
・5日間用のほか3日間用も設定

 ここまで見ると、なかなか良好なリニューアルと感じますが……

・有効期間は利用開始日から「連続する」5日間または3日間
・購入時に利用開始日を指定
・1枚を複数人で利用することはできない

と、衝撃的な内容も記されていました。

「青春18きっぷ」の最大のメリットは、有効期間内の「任意の」5日間が利用可能であること、そして同一行程であれば複数人でも利用もできたことです。しかしこれらが変更され、「5日間または3日間有効のフリーきっぷ」のようになってしまいました。

 リニューアル後の「青春18きっぷ」の内容は、何かと似ているような気もします。そう、「秋の乗り放題パス」です。「秋の乗り放題パス」は連続する3日間用のみの設定でしたが、他の効力などは「青春18きっぷ」と基本的に同じでした。

「青春18きっぷ」では、北海道新幹線の利用区間が新青森まで延びたことで、3日間用でも「秋の乗り放題パス」に比べて本州~北海道間の利便性は良くなりました。ただ、価格は「秋の乗り放題パス」の7850円に対し「青春18きっぷ」は1万円にアップしています。こうなると、新たに5日間用が1万2050円で加わっただけの「春夏冬の乗り放題パス」といえるような気も……。

「青春18きっぷ」にこだわらなくても…

 さらに10月29日には冬季の「北海道&東日本パス」の発売も発表されました。エリアがJR北海道とJR東日本に制限されるものの、価格や効力では新しい「青春18きっぷ」を上回るのでは、とも思えます。以下、比べてみます。

青春18きっぷ/北海道&東日本パス
・有効期間:連続する5日間or3日間/連続する7日間
・北海道新幹線の利用条件:オプション券4500円・新青森~木古内/特定特急券4000円・新青森~新函館北斗
・第三セクターの利用:一部の通過特例のみ可/青い森鉄道・IGRいわて銀河鉄道・北越急行
・値段:1万2050円(5日間)・1万円(3日間)/1万1330円
・1日あたりの値段:2410円(5日間)・3333円(3日間)/1619円
・利用可能エリア:全国/JR北海道・JR東日本エリア

「北海道&東日本パス」は7日間連続と聞くとかなり長期にも感じますが、逆にがっつり冬休みをとって鉄道で旅行しよう!という場合には絶大な効果を発揮してくれるでしょう。

 また、九州エリアには「旅名人の九州満喫きっぷ」という乗り放題きっぷが存在します。「青春18きっぷ」同様、普通・快速列車のみ利用可能ですが、私鉄、第三セクター、市電なども含めた九州内の全鉄道が乗り放題。有効期間は3か月で、任意の3日間利用可能、さらに複数人での利用もOKという、これまでの「青春18きっぷ」のメリットもあわせ持っています。

 しかも通年で発売、通年で利用可能なので、例えば冬休みの12月下旬に使って、また3月下旬に使うということもできます。これもエリア限定とはいえ、使い方次第では大きな魅力を秘めています。

「青春18きっぷ」はリニューアルによってメリットがかなり弱くなってしまった印象がありますが、北海道新幹線オプション券の区間拡大により乗り継ぎが改善され、北海道の稚内から鹿児島の枕崎まで5日間で縦断することが可能になりました。

 ただし5日間「連続」で、ひたすらほぼ始発から終電近くまで列車に乗り続けることになるため、途中で観光や休息の日を挟むこともできません。ひたすら「乗るため」のきっぷになった「青春18きっぷ」、その意味合いを最大限に活用する……といえば聞こえは良いですが、現実にはあまり実用的なきっぷではなくなってしまったのかもしれません。来春以降も同様の内容となるのか、気になるところです。

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