高速道路はあちこちで車線規制を伴う工事が行われ、渋滞も頻発しています。しかし、その傍を通過すると、工事をしているのは一部のみの場合も。なぜでしょうか。
長い車線規制、でも工事は一部
高速道路の老朽化が進み、各地でリニューアル工事が行われています。長期にわたって車線規制をするため、渋滞が発生しているところも少なくありませんが、その傍らを通ってみると、実際に工事しているのはごく一部、というケースも。
工事に直接関係しない部分まで規制をすることに関して、NEXCO西日本関西支社が公式Xで2024年10月に解説しています。
やたら長い交通規制にする理由には「合流の繰り返しによる危険を減らす」という目的があるようです。
例えば、工事個所が近い場所で隣接している場合、車線が狭まり、規制区間が終わって広がり、また狭まり、また広がる――これでは無駄な車線移動が生じ、事故の危険性が高くなります。安全を確保するため、2か所の工事個所をつなぐ形で長大な交通規制を実施することがあり、「連続車線規制」と呼んでいます。
これには作業員の安全を守る観点もあります。最近は特に、「スマホ注視」「わき見」「居眠り」のドライバーが規制エリアに突っ込んでくる事故が問題視されています。
規制エリアの長さは、工事する場所によっても大きく異なります。阪神高速によると、たとえばカーブなど見通しの悪い場所が工事箇所の前後にある場合、カーブ中の車線移動を防ぐため、見通しの良い場所からカーブ区間、工事箇所をまるまる交通規制の範囲に入れるケースを説明しています。
トンネルでもこうしたケースが起こります。たとえば3000m級のトンネルの一部のみで工事する場合に、そのトンネルをまるまる規制範囲にする、といったことも。以前、NEXCOのある支社に聞いたところ、こうした規制範囲は警察とも協議のうえ、安全を考慮して決めていると話しました。