便利なスマートキーが突然作動しなくなるトラブル。大抵の場合は電池切れですが、稀にほかの原因でかなり困るケースもあります。
どうして? 作動しなくなる意外な理由
今やほとんどの新車は、キーを差し込まずに開錠やエンジン始動ができるスマートキーを採用しています。便利ではありますが、突如として「エンジンの始動ができない」「ドアの開閉ができなくなる」といったトラブルに見舞われることもあります。
こうしたトラブルの多くは電池切れが原因。しかしごく稀に別のケースもあります。
スマートキーはクルマに搭載されている発信機からの電波を受信し、リモコンキーが応答電波を発信することで、解錠やエンジン始動を行う仕組みとなっています。そのため強い電波を発する何かが存在する場合、キーが反応しなくなるケースが知られています。
2018年には、長崎県佐世保市内でクルマのキーが反応しないという苦情や相談が200件以上、市内の自動車販売店にあったというニュースもありました。このトラブルは、米海軍佐世保基地の電波が影響していたのではといわれています。JAF(日本自動車連盟)によると、テレビ塔や発電所、放送局など強い電波を発生する設備がある場合も、正常に作動しなくなるケースがあるとしています。
ほかに考えられるのが、電波が遮断されて反応しないというケースです。たとえば、リモコンがタバコの銀紙に触れていたり、保冷バックに入っていたり、アルミ製の製品やアルミホイルに包まれた食品が隣にあっただけで作動しないケースもあるそうです。
鉄、ステンレス、アルミなどは電波を通しにくくなっています。スマートキーの電波を悪用したクルマ盗難の手口である「リレーアタック」の対策方法として、電波遮断ポーチやアルミホイルでキーを包むといった方法が知られますが、意図せず金属や銀紙がある場合でも、同様のことが起こる場合があります。
なお、スマートキーには大概、物理的なメカニカルキーが内蔵されています。開かなくなった場合はこのキーを使い、ドアの解錠・施錠をすることができます。もし電池がない場合は、スターターボタンにリモコンのエンブレム側を直接ふれさせることで、エンジンを始動させる方法が知られています。
ただ電波干渉がある場合は、それでも作動しないケースがあるようです。その場合は、しばらく時間を置いて開錠を試みるのもよいでしょう。