アメリカ海軍は、原子力空母「ジョージ・ワシントン」を2015年以来9年ぶりに日本へと前方展開させます。それに先駆け、同艦の艦載機が続々と山口県岩国基地に到着しましました。 そこにはさまざまな「新顔」の姿もあるようです。
最新鋭ステルス戦闘機の姿も
2024年11月17日、山口県にあるアメリカ海兵隊岩国航空基地に、最新鋭のステルス戦闘機F-35Cをはじめとするアメリカ海軍の各種航空機が次々と着陸しました。これらは、第5空母航空団に所属する機体で、この度日本に前方展開することとなった原子力空母「ジョージ・ワシントン」の艦載機部隊です。
もともと、第5空母航空団は1973(昭和48)年に日本に配備された空母「ミッドウェー」の艦載機部隊として初来日し、その後はアメリカ海軍初の恒久前方展開航空団として、50年以上にわたり日本を拠点に活動してきました。
第5空母航空団は、今年5月に大規模改修のためアメリカ本国へと帰還した空母「ロナルド・レーガン」と共に日本を離れました。そして、新たに日本配備が決定した「ジョージ・ワシントン」への乗り換えを行い、今回日本に戻ってきたのです。
ちなみに、「ジョージ・ワシントン」は2008(平成20)年から2015(平成27)年まで日本に前方展開しており、今回は日本への9年ぶりの「帰還」となります。
そんな第5空母航空団には、今回の日本帰還に合わせて各種の新型航空機が新たに配備されました。たとえば、第 147 戦闘攻撃飛行隊「アルゴノーツ」が運用するF-35C「ライトニングII」です。これは、アメリカ軍で配備が進む最新鋭の第5世代戦闘機の海軍バージョンで、空母での運用を可能とするため、主翼面積の拡大や主脚構造の強化などが行われています。
また、第 30 艦隊後方支援多任務飛行隊前方展開海軍戦力分遣隊が運用するCMV-22Bも、今回が初めての日本配備となります。CMV-22Bは、飛行中にローターの角度を変更することができるティルトローター機で、ヘリコプターと固定翼機のメリットをどちらも享受することができるのが特徴です。空母と地上基地とを行き来する輸送機で、長大な距離を飛行する必要があるため、機体の張り出し(スポンソン)内に巨大な燃料タンクを備えています。
ちなみに、F-35CおよびCMV-22Bがアメリカ以外の国に配備されるのはこれが初めてで、そのためこれらの航空機が一堂に会する光景を見られるのは、アメリカを除けば唯一日本だけです。