日本に前方展開するアメリカ海軍の原子力空母「ジョージ・ワシントン」には、さまざまな艦載機が搭載されています。その中の一つであるE-2D「アドバンスド・ホークアイ」に、何やら見知らぬ「ツノ」が生えていました。
航続距離を大幅に増加
アメリカ海軍は、2015(平成27)年から日本に前方展開してきた原子力空母「ロナルド・レーガン」と交代する形で、空母「ジョージ・ワシントン」を神奈川県にあるアメリカ海軍横須賀基地に配備します。
「ジョージ・ワシントン」には、基本的には「ロナルド・レーガン」に搭載されていた第5空母航空団の部隊と航空機がそのまま載せ替えられますが、一部の機体については新しいものに置き換えられています。その一つに、E-2D「アドバンスド・ホークアイ」があります。
E-2Dは、機体上面にある円形のドーム内に収められたレーダーにより、敵の航空機やミサイルを遠方から探知、その情報を艦艇や戦闘機に共有することで効率的な迎撃を行うための、いわば「空飛ぶレーダーサイト」です。今回「ジョージ・ワシントン」に搭載されている機体には、前面に見慣れぬ角のようなものがついています。
じつは、これは空中給油機から燃料を受け取るための受油装置(プローブ)です。これにより、E-2Dは空母に着艦することなく燃料補給が可能となるため、航続距離を大幅に伸ばすことができます。それはつまり、長時間にわたり連続して空域を監視することができるということであり、より効率的な対空警戒網を形成することが可能となるのです。
現在、アメリカ海軍ではE-2Dへの受油装置搭載改修を進めており、今年6月に中東で活動していた空母「セオドア・ルーズベルト」でもその姿が確認されています。