本州最南端に向かう自動車専用道路の開通が遅れそうです。
すさみ串本道路が開通延期
本州最南端に向かう高速道路の開通が遅れそうです。
2024年11月28日、国道42号「すさみ串本道路」の2回目の事業工程会議が開かれ、国土交通省の紀南河川国道事務所をはじめとする関係者間で進捗が報告されました。
すさみ串本道路は、紀勢道の和歌山県側の終点・すさみ南IC(和歌山県すさみ町)から串本IC(仮称、同・串本町)までを結ぶ延長19.2kmの自動車専用道路です。並行する国道42号のバイパスの機能も担います。
2014年度に事業化。道路は幅員12m・2車線(片側1車線)、設計速度80km/hで整備されます。中間地点には串本方面の出入りのみとした和深IC(仮称、串本町)が設置される計画です。
紀南河川国道事務所によると、すさみ串本道路は27~54mの高さで整備することから、津波や台風による越波などで国道42号(現道)が通行止めになったときの迂回ルートになるほか、三次救急医療施設への搬送時間短縮、京阪神からの所要時間短縮による観光活性化などの効果も期待されるといいます。
現在は全線にわたって橋やトンネル、舗装工事などが進められています。
しかしこのうち、途中の安指川橋(仮称)では、橋脚を造る際に通常の掘削機では対応できない硬い岩が多数出てきたため、対策により通常の約4倍(4か月)の施工時間を要したといいます。
また、小河瀬谷川橋(仮称)では地盤にひび割れが見つかったため、工事を中断し対策を検討した結果、直接基礎から杭基礎(深礎杭)に構造を変更することに。これにより追加の設計や工事で1年以上を要し、そのあとに橋本体や舗装の工事に取り掛かることになるといいます。
そのため、開通予定はこれまで掲げてきた「2025年春」から大幅に遅れる見込みということです。同事務所は「引き続き工程精査を進めるとともに、遅延期間が2年を大きく超えないよう、工程短縮に努める」と説明しています。
さらに工期の問題に加え、資機材の高騰などにより事業費が290億円ほど増える予定としています。
なお、開通までまだ時間がかかるため、開通前の段階でも、南海トラフ地震に備えて工事用道路や法面点検階段を避難用に使えるよう地元自治体と調整する方針です。